新作映画では吐息などの細かい演技に注目

――最新出演映画となる『劇場版 零~ゼロ~』で浅香さんが演じた崇は、足に障害があるうえ、内気な性格という難役だったと思います。演じる際に苦労された点はありますか?

『桐島』のときに吉田監督から、自分が演じる役の生い立ちやプロフィールを作ることを勧められたんですが、その後の作品でも続けていて、今回も崇のバックボーンをいろいろと考えながら作りました。衣装合わせのときに、脚本も書いている安里(麻里)監督に、自分で作ってきたことを話しながら、軸を作っていきました。ただ、こういう役は初めてですし、セリフを喋るのも1シーンしかありませんから、表情の見せ方には苦労しました。

――主要キャストの中では唯一の男性キャストということで、戸惑いのようなものはありましたか?

 これまでは男が多い現場ばかりだったし、僕はシャイなほうなので、恥ずかしかったですね(笑)。こっちから話しかけにいくと、「何、はしゃいでいるんだ?」と思われそうで、ずっと端の方にいたんですよ。そうしたら、森川葵ちゃんに逆に気を遣わせてしまったみたいで、申し訳なかったです。でも、単純に今まで演じたことのない役を演じて楽しかったし、監督が芝居をちゃんと見てくれたことも嬉しかったですね。

――本作のみどころがあれば、教えてください。

 どこかレトロで、おしゃれなホラー作品になっているので、デートで観るのにも適していると思います。それに、今では珍しく、フィルムで撮っているので、ホラーで重要な“黒み”が鮮明に出ていると思います。また、僕の演技はセリフが少ない分、細かい表情を見てほしいし、逆に1シーンだけセリフを喋るところは吐息まで注目してもらいたいです。

2014.09.25(木)
文=くれい響
写真=中井菜央