アンク役をきっかけに増えた強い男役
――そんなアンク/泉信吾を演じた「仮面ライダーオーズ/OOO」。この1年で高所恐怖症を克服されたとか。相棒の映司を演じた渡部秀さんとの関係性も興味深いですね。
僕はスターになるとかトップに行きたいということより、苦手なものを克服するために、この仕事をしているのかもしれないです。高いところは苦手だし、まったく泳げないし、1年間休みもなかったですし(笑)、「オーズ」でかなり精神的に強くなったと思いますね。でも、「オーズ」にかぎらず、今までやってきた仕事すべてがあったからこそ、今の仕事があるんだと思っています。(渡部)秀くんとの関係性ですが、彼とは最初まったく合わなかったですね(笑)。彼は天真爛漫というか、朝から元気なタイプなんですけど、僕は彼みたいにガツガツしている人が苦手で(笑)。でも、彼は僕の心のシャッターをどんどん開けようとする。秀くんにはハッキリ「嫌いだ」と言っていましたし、2人の取材でもお互いには話さなかったです。本当にアンクと映司と同じような関係で、ドラマのように徐々に距離が縮まっていって、最後は仲良くなりました。今では尊敬もしているし、よく連絡を取る仲です。
――今回の『るろうに剣心 京都大火編』で要人暗殺の特攻部隊・十本刀の張役を演じましたが、これはオーディションだったのでしょうか?
何も知らされていないまま、マネージャーさんと一緒に顔合わせに行ったんです。それで監督にご挨拶したら「殺陣やりたい?」と言われて、「そんなにやったことはないですが、興味はあります」と。それでアクションチームの方とちょっと軽いアクションをやったんですが、帰り際に監督が「じゃ、宜しくね……でも、ここで言っちゃダメか(笑)」と言われたんです。以前は繊細なイメージの役が多かったんですが、アンクをきっかけに強い男の役が増えましたね。こういった役は自分とかけ離れているので、演じるのも楽しいです。
2014.07.18(金)
文=くれい響
撮影=三浦英絵