「自分でできることは何か?」を考えた末の役作り

――原作者の和月伸宏さんや大友監督は、三浦さんの表現力を絶賛されていましたが、ご自身ではどのように考えられたのでしょうか?

 今まで、こんなに大きな作品に出してもらったことがないですし、衣装だったり、撮影環境だったり、最高の武器はいただいているわけですが、どこかで怖さもあるので、その防御策のために、自分ができることって何か、って考えていました。だから、原作での片目をつぶる仕草や関西弁を必死に練習しましたね。でも、片目をつぶると、身体のバランスがおかしくなってアクションするのが大変なんですよ(笑)。振り返ると、神社での戦いは猛暑で、虫除けは大変だし、衣装は革素材なので汗でビチャビチャ。そんななかでの初めての本格的な殺陣だったので、人と剣との距離感だったり、タイミングのことばかり考えていましたね。

――この作品は、10年を超えるキャリアの中でどんな作品になったといえますか?

 外を見せていただいたというか、広い世界を見せていただいた気がします。そんな世界に入れただけで嬉しかったのですが、ホテルではせっかく大きな部屋を取ってくれたのに、隅の方で寝ていたぐらいドキドキしていたというか、ちょっとしたホームシックで。そんななか、スタッフさんには本当に盛り上げていただいた感じがします。(佐藤)健くんがミキサーを持ってきていて、朝ごはんを食べない代わりに毎日ミックスジュースを飲んでいたんです。そのミックスジュースをメイクさんが作っていて、あるときから僕も飲ませてもらうようになったんです。それからはネットで調べて、いろいろなミックスジュースを試すようになったりして、朝から楽しかったですね(笑)。

2014.07.18(金)
文=くれい響
撮影=三浦英絵