世界中のダイバーが憧れる極上サンゴ礁
パプアニューギニアの海には、世界有数の美しいサンゴ礁がある。1997年の大規模な海水温の上昇で、世界各地のサンゴが白化して死滅したとき、パプアニューギニアでは被害がなかったという。もともと海水温が高いので、サンゴが水温上昇に耐えることができたのだ。
ダメージを受けていないだけに、海の中ではサンゴたちが何層にも折り重なってザクザクと成長している。しかも、このときは水温が30度近くあったので、ウエットスーツを着て泳いでいるとあっという間に身体が温まり、汗で水中マスクの内側が曇ってしまうほど。
このリゾートでのダイバーのスケジュールは、朝、ボートで出かけて潜り、ポイントを移動してもう1回潜り、船の上でランチを食べて、午後にもう1回潜って帰ってくるというもの。その後、ボートを使わずにリゾート前で潜ることもできるので、朝から夕方までダイビングを楽しむことができる、まさにダイバーズパラダイスなのだ。
ボートからドボンと海の中にエントリーしたときの、眼下に広がるブルーの世界は透明度のいい海ならでは。レギュレータをくわえているものの、思わず「きれーい!」と叫んでしまう。海面からサンゴ礁まで潜降して、海中散歩の始まりだ。サンゴ礁で暮らしている魚たちが、サンゴの隙間に隠れたり、近くで群れたりして海の中をカラフルに彩っている。
中層では猛スピードで泳ぐ回遊性の魚たちが、群れの形を自由自在に変えながら目の前を横切っていく。いわゆる青魚系のバラクーダやギンガメアジなどで、海の中で出会うと銀色の体色に光が反射してキラキラ光って見える。これ、私がもっとも好きな海中風景。無重力空間にいるような浮遊感の中で魚たちに囲まれる幸福感は、未体験の方にはぜひ体験してほしいと心から思う。
パプアニューギニアの海は、温かくて、サンゴがキレイで、大小様々な魚がた~くさんいるという、まさに、三拍子揃った海。ダイバーのリピーターが多いのはそんな理由から。寒い海は苦手という、私のようなリゾートダイバーには願ってもない楽園。かくいう私も3回行っているけれど、また行きたい大好きな海のひとつなのだ。
2014.07.01(火)
文・撮影=たかせ藍沙