役者として認知された「明日カノ」のホスト役
――その後、17年にデビューを果たし、破竹の勢いで現在の人気を確立されますが、転機となった出来事は?
19年、初めてのアリーナツアー(THE RAMPAGE LIVE TOUR 2019 "THROW YA FIST")です。初日にステージに立ったときの歓声や景色は忘れられません。その後も、有難いことに毎年アリーナツアーをやらせていただいているのですが、「デビュー前はいろいろあったけれど、ここまで頑張ってきてよかったな」って思うことができた瞬間でもありました。
――その一方で、デビュー後は俳優としての活動もされています。
グループに入る前から、演技レッスンをEXPG STUDIOで受けていましたし、俳優業をされている先輩方も多いので、心のどこかで「自分も演技をやりたい」と思っていました。
最初の演技の仕事は、舞台(「あたっくNo.1」)だったので、正直なところ、あまり想像がつかなくて、「どうにでもなれ!」といった気持ちでやったことを覚えています。もちろん稽古はキツかったのですが、本番での生感やダンスパフォーマンスとは違うセリフを発することによる表現が、とても新鮮に感じられ、そのときの高揚感がたまりませんでした。それがとても楽しくて、今後もやりたいと思いました。
――その後、18年のドラマ「PRINCE OF LEGEND」ではTeam ネクストのダンス王子ゴールドこと日浦海司役を、22年のドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」では売れっ子のホスト・ハルヒ役を演じられました。
「PRINCE OF LEGEND」のときは、すでに舞台を何本かやっていたので、演技にちょっとだけ自信があり、舞台での経験を生かそうとしたのですが、初めての映像作品ということで、「撮り方や芝居がこんなにも違うのか?」と悩まされました。あまりに大変すぎて、演技がちょっと嫌いになりそうでした(笑)。
「明日カノ」は人気マンガが原作だったこともあり、僕のことをいろんな人に知ってもらえた作品になりました。今でもお店行ったときなどに、店員さんから「「明日カノ」見てました」と言われますし、THE RAMPAGEの藤原樹ではなく、ハルヒとして認知されていることは、やっぱり嬉しいです。演技的には、今思えば「もっとやれたかも?」と思いますが、当時の自分としてはできることはすべてやりました。
2024.12.27(金)
文=くれい響
写真=末永裕樹