●人生でいちばん緊張した「ラストマン」のクランクイン
――その後、BLコミックをドラマ化した「みなと商事コインランドリー」(22年・23年)に出演。続編でも演じられた英明日香というキャラについては?
牛島光からの振り幅は、かなり大きかったと思いますね。初めてのBL作品でしたが、「好きになった人がたまたま同性だった」だけなので、普通にラブコメをやる意識で演じました。それでファンの方々が応援してくださって、「シーズン2」に繋がったのは、とにかく嬉しかったですし、ビックリしました。有難いことに、急激にファンレターの数が増えたんです。具体的に言うと、「ライダー」のときの倍以上でした。
――23年に放送された「大奥(3代・徳川家光×万里小路有功 編)」で演じられた小僧・玉栄の闇堕ちも話題になりました。
初めての時代劇での所作と京都弁という壁が二つ重なったこともあってか、自分が想定していたお芝居が上手くできなくて、現場ではかなり苦戦してしまいました。とにかく京都弁のイントネーションが難しかったですが、もっともっと役に入り込むことができれば、さらに玉栄の忠誠心や尊敬心を引き出せたと思うし、彼に寄り添えた気がして悔しいです。
――そして、日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」では捜査一課メンバー最年少の長谷川役を演じ、事務所の大先輩である福山雅治さん、大泉洋さんらと共演されました。
「大奥」のクランクインは恐怖が強かったんですが、「ラストマン」のクランクインは人生でいちばん緊張しました。360度どこを見ても、主演をされている俳優さんしかいないので、この場所に自分がいていいか分からないし、「この人たちに、どこまで喰らいつけるか?」という不安しかなかったです。
でも、いざ現場に入ってみると、みなさんとても優しい方ばかりで、アットホームな雰囲気でした。福山さんや大泉さんはもちろん、永瀬廉さんもラノベ原作のマンガ「オーバーロード」好きという共通点から、いろいろお世話になりましたし、基本グルメの話をされている吉田羊さんや松尾諭さんにも可愛がってもらいました(笑)。
2024.04.05(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘