●17歳で、転機となった「仮面ライダーリバイス」に出演

――いきなり蜷川組の現場はいかがでしたか?

 初めての映像作品で、右も左も何も分からない状態だったこともあって、そのときは蜷川組の“特殊さ”に気づけなかったんですが、今思い返せば、煌びやかなセットだったり、小道具だったり、ハイブランドのファッションだったり、ちょっと凄い世界だったと思いますね。

 あとは監督の明るい人柄による現場の空気感もありましたし、夏木マリさんや中谷美紀さん、笠松将さんなど、すごいメンツに囲まれて、仕事をしていたことが信じられないですね。

――21~22年「仮面ライダーリバイス」で牛島光 / 仮面ライダーオーバーデモンズに抜擢されます。撮影の1年間で学んだことがあれば、教えてください。

 最初「僕の役は、変身しないかもしれない」という話もあったんですが、最終的には変身させてもらえることになって、自分でポーズを考えたり、なかなかできない貴重な体験をさせていただきました。

 現場でいちばん強く感じたのは、スタッフさんと役者のなかでの信頼感みたいなものが強く、当時17歳だった僕も分け隔てなく、同じ作品を作る仲間として扱ってくださったこと。あと、「とにかく謙虚に、とにかく真面目に」というところを徹底して学ばせていただきました。

――ということは、奥さん自身にとって転機となった作品は、やはり「仮面ライダーリバイス」ですか?

 そうですね。いろんなことを学ばせていただいた現場でもありますし、「リバイス」での演技が後の「大奥」のオーディションに呼んでいただけるところに繋がったり、その「大奥」の演技が今回の「十角館の殺人」のお話に繋がっているので、すべては「リバイス」からという気持ちです。

2024.04.05(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘