「実写化不可能」とされてきた、ミステリー界の巨匠・綾辻行人原作による『十角館の殺人』が映像化。
難事件の真相を暴く主人公・江南(かわみなみ)に抜擢された奥 智哉が、「仮面ライダーリバイス」や「みなと商事コインランドリー」など、自身の俳優としてのキャリアを振り返ります。
●父親が事務所に履歴書を送る
――幼い頃に空手を習われていた奥さんですが、当時の夢は?
空手は四つ上の兄がやっていたこともあって、小学1年から6年まで、6年間習っていました。ただ、空手のチャンピオンになりたいという気持ちはなかったです。
幼稚園のときに、「パティシエになりたい」と言っていた覚えがあります。春巻きの皮を使った焼かないクレープを作ったりするのは好きでしたけれど、特に甘い物好きとかではなくて、なんとなく言っていたような気がします。
――そして、映画『るろうに剣心』との出会いになるわけですね。
小学6年生のときに、父親に「将来何になりたいの?」に聞かれたのですが、たまたまテレビで放送されていた『るろうに剣心』の番宣を見ながら、冗談半分で「自分も役者さんみたいなことできないのかな?」みたいなことを言ったんです。
そうしたら、いつの間にか父親が履歴書を今の事務所(アミューズ)に送っていたようで、その1~2ヶ月後ぐらいに事務所から連絡が来ました。
――あまりの急展開に、戸惑いませんでしたか?
「もし受かったら、お仕事を頑張ってみようかな?」「別に受からなかったら、中学で部活頑張ろうかな?」程度の気持ちだったんですが、中学の3年間はレッスンを中心にした活動でした。
その合間に、いろんなオーディションを受けては落ち続け、やっと受かったのが、蜷川実花監督のドラマ「Followers」でした。
2024.04.05(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘