芸能界も世の中も、本当に慌ただしかった2023年。さて、今年皆さんは、どんなエンタメや文化に触れ、心動かされただろう。

 私が今年忘れられないエンタメは、インド映画「RRR」。ナートゥダンス目当てで観に行ったが、登場人物全員が濃くて仰天。特に主人公の二人は不屈の生命力を見せつけ、致命傷を負っても何度も復活。しかも前より元気になるのである。

 踊るわ歌うわ戦うわ叫ぶわ動物は飛ぶわの3時間。あしたのジョーの如く真っ白に燃え尽きた。映画でこんなに疲れたのははじめてである。

2023年ヒット振り返り!

 さて、個人的な思い出はともかく、世の中の2023年のヒットはどうだったのだろう。簡単に見ていこう。流行語大賞は阪神タイガースの「A.R.E」! タイガース日本一はなんと38年ぶり。喜びのあまり道頓堀川に飛び込んだ人は37人。ほぼ小学校1クラス分の人数が飛び込んだことになる。

 日経トレンディのヒットもチェックしてみよう。第1位は「ChatGPT」、第2位「chocoZAP」。ぬうう、私も気になっていた「chocoZAP」。チョコチョコレベルのジム通いで、ガッツリついた腹肉が取れるものか、と自分に言い訳していたが、行ってみるか……。

 アニメでは【推しの子】が大ヒットし、音楽売り上げ(Billboard JAPAN)の年間ヒットナンバー1はYOASOBIが歌う主題歌の「アイドル」。映画興行収入1位は「THE FIRST SLAM DUNK」、コミック売り上げランキング1位は「ONE PIECE  105」。105巻……! 1997年からはじまり連載26周年。しかもトップ人気死守とは、リスペクトしかない!

 ここまでざっとヒットを振り返ってみたが、今年はぜひじっくり、地上波のテレビドラマについて語りたい。配信ドラマでは大相撲をテーマにした「サンクチュアリ-聖域-」という大きな花火が上がったが、いやいや、地上波もオワコンなんて言わせない。意地を見せたる! とモンゴルを巻き込み挑んできた「VIVANT」(TBS)、そして徳川約200年を描ききった「大奥」(NHK)をはじめ、ヴラッヴォー! とスタンディングオベーションしたくなる作品が多かったのだ。

 ということで、個人的なチョイスではあるが、「勝手に地上波ドラマ賞」各賞発表!

2023.12.28(木)
文=田中 稲