今期の日本テレビのドラマ『コタツがない家』、『セクシー田中さん』、『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』の3作品にはある共通点があります。

 それはアラフォー、アラフィフのバイプレイヤー女優たちが初主演に抜擢されているということ。

 『コタツがない家』は42歳の小池栄子さんがGP(ゴールデン・プライム)帯の連続ドラマ初主演。

 『セクシー田中さん』は38歳の木南晴夏さんが同じくGP帯の連ドラ初主演。

 『ブラックファミリア』は48歳の板谷由夏さんが深夜帯ながら連ドラ初主演。

 これまで個性的なバイプレイヤーとして活躍してきた3人が、なぜ遅まきながら作品の座長に抜擢されたのでしょうか。ドラマ批評連載で年間100本程度のドラマコラムを寄稿している筆者が考察させていただきます。


■ドラマ枠の増加やドラマ視聴者のメインの年齢層などが背景に

 要因のひとつとして、まず真っ先にドラマ枠が増え続けていることが挙げられるでしょう。

 日本では近年ドラマ枠の増加傾向が顕著。23時以降の深夜のドラマ枠がどんどん増えているだけでなく、2023年4月期からテレビ朝日が日曜22時枠、10月期からフジテレビが金曜21時枠を新設するなど、GP帯のドラマ数も増えています。NHKと民放キー局の地上波の連ドラは現在40枠前後あり、20年ほど前に比べるとほぼ倍増しているのです。

 また、世界的に年齢による差別や偏見を意味する「エイジズム」をなくそうとする意識が高まってきたことで、主演は20代の旬の俳優のほうがいいという認識もだいぶなくなっています。

 そしてドラマ全体の人気や影響力が高かった1990年代の作品にハマッていた世代が、現在は40代や50代になっていることも影響しているかもしれません。ドラマを好んで観てくれていたその世代が、感情移入や共感しやすいストーリーを作ろうとしたとき、小池さん、木南さん、板谷さんといった視聴者と同世代の俳優が主演でキャスティングされやすくなってきたのではないでしょうか。

 前述したとおり、3人が今期初主演する作品はくしくも日テレ作品。もちろん彼女たちの実力が抜擢の最大の理由だとは思いますが、日テレへの貢献度も高いことがうかがえます。

2023.12.12(火)
文=堺屋大地