■小池栄子『コタツがない家』/本人のイメージをそのまま踏襲

 小池さんが主演する『コタツがない家』(10月18日スタート/水曜22時)は、小池さん演じるやり手のウエディングプランナーが、一家の大黒柱として3人のダメ男を養っていくというホームコメディ。売れない漫画家の夫、アイドル志望ながら人間不信に陥っている息子、熟年離婚を言い渡されて独り身になってしまった実父との生活を描いていきます。

 主人公は気の強い部分もあるものの愛情深いタイプで、小池さん自身のパブリックイメージをそのまま踏襲したようなキャラクターとなっているのが特徴でしょう。

 小池さんは2019年の日テレドラマ『俺の話は長い』にて、主要キャラである主人公の姉役を演じていましたが、こちらの作品は脚本担当の金子茂樹氏が向田邦子賞を受賞していました。そして『コタツがない家』は、『俺の話は長い』と同じく金子氏が脚本を執筆し同じ制作スタッフが集結しているとのこと。

 『俺の話は長い』の脚本家やスタッフから信頼が厚かったからこそ、小池さんが『コタツがない家』の主演に抜擢されたに違いありません。

 実際、『俺の話は長い』で演じた主人公の姉役と『コタツがない家』で演じている主人公は、バイタリティに溢れる芯の強さがある部分など、共通点が非常に多いように感じます。素の小池さんに近しいキャラということもあって、彼女の十八番演技として日テレのドラマチームに認知されているのでしょう。

 『俺の話は長い』後も小池さんは、2020年の日テレドラマ『美食探偵 明智五郎』で、平凡な専業主婦から殺人鬼へと変貌していくラスボス的な役どころも怪演。他局ですが昨年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条政子を演じきり、役者としての評価を一層高めていたため、小池さんのGP帯での主演に日テレ内でも異論はなかったのではないでしょうか。

2023.12.12(火)
文=堺屋大地