死ななくていい人が死に、飛ばなくていい首が飛ぶ…それでも「鎌倉殿」は面白い!

 早いもので、今年もあと1ヶ月ちょっとで終わりである。暑い日が続き過ぎたので、まったく実感がなかった。あと3ヶ月くらい2022年延長するんじゃないの? と思ったが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」があと数回で終わると気付き、やっと年末の実感が湧いた。

 あああ最終回が来るのが楽しみで寂しい。本当に名作だった。いやまだ終わってないけれど、想像するだけでフライング・鎌倉殿ロス!

 今でこそこんなに夢中だが、実は「2022年の大河ドラマは『鎌倉殿の13人』」と発表された2020年当時は、

「これはハズす!」

 と予想していた。勝手に主演の小栗旬に同情までしていた。北条義時というあまりにもピンと来ない主人公。歴史に疎い私にとっては、あまり聞いたことのない13人。大好きな三谷幸喜脚本といえど、期待は限りなく薄め。そのため実際に観始めたのはかなり遅く、義経登場から。完全に菅田将暉目当てであった。

 しかしこれが予想を超えて面白く、久々に大河にドハマリした。日曜の夜は7時半ごろからテレビ前を陣取り、芋ヅル式で前番組の「ダーウィンが来た!」まで楽しみになっていったほどである。

 鎌倉殿鑑賞後は深夜まで目を充血させながら感想ツイートを追い、識者による史実の説明や分析記事を読んだ。おかげで確実に老眼が進んだが、後悔はない。坂東武者達よ、あなたに会えてよかった、きっと私!

 ただ、観た直後毎回ヘビーな気持ちになるのも事実。大泉洋も小栗旬もどんどん人相が悪くなっていくし(泣)。あまりにも死ななくていい人が死に、飛ばなくていい首が飛び。最近ではビールを空けるもまったく進まず、ただただ片手に缶を持ち「理不尽……」と唸りながら、45分が過ぎていく――。

 母が残酷なシーンにおののき「イッテQに変えない?」と言ってきたのも一度や二度ではない。それでも、それでも! 引き寄せられるように観てしまう。それが鎌倉――。

 最終回はもう目前。せめて、これまで散っていった(去っていった)愛しき漢たちから数人ピックアップし、美しく彩ってくれたそのパワーをリスペクトしていきたい。

2022.11.20(日)
文=田中 稲