この記事の連載
- 「リゾナーレトマム」【前篇】
- 「リゾナーレトマム」【後篇】
北海道の短い秋を凝縮したディナーコース
メインダイニングの「OTTO SETTE TOMAMU」は、イタリアの郷土料理をベースに、北海道ならではの食材をふんだんに散りばめたレストラン。ワイン好きから絶大な人気を誇る、希少な北海道産ワインも含むペアリングも楽しめます。
秋限定のディナーコースでは、エゾ鹿や秋刀魚、鮑、雲丹といった山海の美味を惜しげもなく使用。はじまりの一品は「宝石箱」。美しいガラスのボックスに海鮮と秋の野菜を味わう3つの料理が並びます。
雲丹の軍艦は、貝を使用したペーストを海苔に見立ててあり、イクラのタルトには生姜風味の茄子ペーストを忍ばせて。マグロのタルタルはハリッサの辛みを効かせたパプリカと、竹炭のチュイルが添えられ、1品ごとにワクワク感が高まっていきます。
「秋の初風」をイメージした「秋刀魚の冷製カッペリーニ」は、脂ののった秋刀魚の身はもとより、内臓や骨も使ったビスクのようなスープが出色。パスタに絡めたトマトピューレとの相性もよく、不思議な調和の取れた一品です。
温前菜の「エゾ鹿サルシッチャのストゥファート」は、北海道ならではのエゾ鹿のサルシッチャ(ソーセージ)を、希少な鹿のタンとすね肉を使用したソースとともにオーブンで焼き上げたもの。肉の旨みを吸った豆もおいしく、深まる秋を感じます。
魚料理は、キンキのヴァポーレ(蒸しもの)。ふんわりとしたやさしい火入れが絶妙なキンキは、きれいな脂がのってそのままでもおいしそうですが、澄んだトマトのスープで爽やかに抑制をきかせ、メインへと繋げます。
メインの肉料理は、牛フィレ肉と鮑のアロースト。牛肉を昆布出汁と鮑の蒸し汁で煮詰めたソースにマルサラワインをあわせたソースと、鮑の肝に焦がしバターを加えたソースの2種類でいただきます。付け合わせの人参のロースト、菊芋のピュレによる土のニュアンスも好相性。
デザートまで食べるとかなりボリュームがあるものの、翌日までお腹がもたれるということは不思議とありません。北海道の食の多様性と豊かさを存分に満喫しながらも食べ疲れしない、上質感のあるコースです。
【秋限定のディナーコース】は10月31日まで。1人15,730円、ワインペアリング9,500円、ノンアルコールペアリング5,500円、ミックスペアリング7,500円(すべてサービス料込み)。※仕入れ状況により多少の素材変更あり。
「想像を超えて、記憶に残る」星野リゾートのリゾートホテルブランド「リゾナーレ」。トマムの自然と農をリスペクトし、最大限に活かしたステイが楽しめる「リゾナーレトマム」は、豊富なアクティビティや北海道ならではの美食を揃え、まだ見ぬ世界に出会う旅を提案します。
後篇では、日の出前に出かける価値ありの雲海テラスや、全室スイートの客室でのラグジュアリーな過ごし方をご案内します。
星野リゾート リゾナーレ トマム
所在地 北海道勇払郡占冠村字中トマム
電話番号 0167-58-1111(代表)
宿泊料金
◆2名1室利用時1名 21,900円~(サ込、朝食付き)
客室数 200室
チェックイン15:00/チェックアウト11:00
アクセス 新千歳空港から車で約100分、JRで約90分(乗り換えあり・トマム駅から無料送迎バスあり・予約不要)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonaretomamu/
●Wi-Fiあり
Column
ディスカバリーのその先へ 星野リゾートで体験する、新しいニッポンの魅力
日本全国、その土地土地の魅力合わせた宿泊提案をする星野リゾート。その星野リゾートでの宿泊体験を通して、日本の魅力を再発見してみませんか?
2023.10.11(水)
文=伊藤由起
撮影=志水 隆