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 標高差約100メートルの丘陵に広がるグランピングリゾート「星のや富士」。広大な森のなかに、キャビン(客室)、ダイニング、焚き火が灯る屋外ラウンジなどが点在しています。後篇では、地元山梨のジビエやフルーツを屋外で味わう体験型の食事、森で過ごす優雅な休日スタイルをご紹介します。


森の中で味わう朝食と極上のリラックスタイム

 「星のや富士」の食事は、場所も内容もバリエーション豊か。朝食は、キャビンに届く「モーニングBOX」(1人3,388円)や、旬のフルーツをたっぷりと盛り込んだ夏限定の「グランピングフルーツ朝食」(8月31日まで。1人16,900円)のほか、メインダイニングでいただく「グリルモーニング」(1人2,662円)、クラウドテラスでプレスサンドイッチを作る体験型の「森の朝食」(1人1,936円)などから選ぶことができます。

 なかでもこの夏、人気を呼んでいるのが「グランピングフルーツ朝食」。フルーツ王国山梨ならではの新鮮で上質な白桃、プラム、シャインマスカットを使ったサラダや、フレンチトースト、濃厚なジュース、デザートのパフェまでフルーツづくしを堪能できます。こうしたメニューも産地が身近で、生産者との信頼関係があるからこそ。

 趣向を凝らした朝食を楽しんだあとは、心ゆくまでリラックスを。ごつごつとした溶岩の間に木の根が這う樹海でのウォーキングは、通常の道を歩くよりも足腰に疲労が溜まりやすくなっています。

 おすすめは昼風呂。前日作ったハーブバスソルトを使ったお風呂にゆっくり浸かって、疲れた体を癒やしましょう。「樹海リトリート」では、入浴やセルフマッサージなどで疲れた体を効果的にほぐすための“指南書”や、ボディ用コスメも用意されています。

 キャビンのテラスリビングで、河口湖を眺めながら過ごしたり、クラウドテラスのお気に入りの場所でくつろぐのも一案。森の樹々と一体になり、ハンモックに揺られていると、いつの間にか睡魔が……。この何とも言えない安心感と開放感は、グランピングならでは。

 清々しい森の空気を体中に満たし、時間を気にせず過ごす時間のなんと贅沢なことか。慌ただしい都会の日常をしばし忘れ、本来の自分に帰るこの体験は、今後の人生を変えるきっかけになるかもしれません。

2023.08.19(土)
文=伊藤由起
撮影=橋本 篤