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 山に囲まれ、緑に覆われ、昼夜の気温差の大きいトマムは、「雲海」が頻繁に発生するエリア。後篇では、その絶景を眺められる「雲海テラス」や、全室スイートの客室でのラグジュアリー・ステイを中心にご紹介します。


日の出前からスタンバイ! ダイナミックな雲海に出逢う

 夏場にスキー場のゴンドラを整備するスタッフにとって、日常の風景だった雲海。そのダイナミックな風景を、もっとたくさんの人に見てほしい! という思いから、2006年に「雲海テラス」がオープン。21年のリニューアルでは、高さ12メートル・3階建ての展望デッキが誕生し、さらなる人気を呼んでいます。

 「リゾナーレトマム」のゲストは、雲海テラスまでのゴンドラ乗車が往復無料ですが、雲海を目当てに訪れる日帰りのお客さんも多数。朝3時45分ホテル発の始発送迎バスに乗れば、比較的少ない待ち時間で雲海テラスにたどり着くことができるので、頑張って早起きするのがおすすめです。

 ゴンドラに乗ること約13分で、トマム山の標高1,088メートルに位置する雲海テラスに到着。雲海が出ているかどうかは、その日の天候次第。雲海は、その発生システムの違いにより3タイプに分けられます。

  1. 太平洋で発生した海霧が山を越えて流れこむ「太平洋産雲海」
  2. 盆地の底に冷やされた空気がたまり発生する「トマム産雲海」
  3. 低気圧の接近などで発生する「悪天候型雲海」

 シーズン中の早朝、雲海が見られる確率は40%ほど(悪天候の日はゴンドラ運休)。同じ表情は二度と見られない雲海との出逢いは、まさに一期一会。展望デッキの最上階からは、日高山脈や、山間から登る朝日といった絶景を見渡すことができます。

 ゴンドラを降りてすぐの場所にあるのが「雲Café」。ふわふわの雲を表現した「雲ソフト」「雲マカロン」、雲形のマシュマロを添えた「雲海コーヒー」や、雲のような綿あめがのった「雲海ソーダ」など、雲をテーマにしたフードやドリンクを味わいながら、雲海を待つ時間も楽しく過ごすことができます

2023.10.11(水)
文=伊藤由起
撮影=志水 隆