●フラットに物事を見られるアーティスト気質な教師役に挑戦

――最新出演映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』では、生徒思いの美術教師・岡崎役を演じられています。

 バンドのドラマー役だった『サヨナラまでの30分』と同じプロデューサーさんだったんですが、今回初めての先生役ということもあり、「学生・生徒役をほとんどやらないまま、先生役になっちゃったんだぁ」という少し寂しい気持ちでした(笑)。

 衣装合わせの時点で、岡崎の衣装がくだけまくっていたので、酒井麻衣監督からフラットに物事を見られるアーティスト気質な先生が求められていることが分かりました。演じるうえでは、先生として、人生の先輩として、生徒の将来の道をサポートしつつ、「最後は自分の足で歩きなさいね」と言えるような感覚を大切にしました。

――本作では、どのような新しい上杉さんが観られる作品になったと思いますか?

 メガネをかけたり、服のセンスはちょっと違うんですが(笑)、岡崎という人間は、割と素の僕に近い役だと思うんです。言っていることだったり、やってることだったり、彼の言動に関しては、かなり近いので、「上杉って、普段こうなんだ」と思ってもらいながら観てもらえれば、嬉しいですね。

――個人的には30歳を過ぎて、いろいろなものが削ぎ落された印象が強いと思いますが、上杉さん自身は、今後の希望や展望をどう捉えていますか?

 どんどん、同世代や若い役者に対する敵対心みたいなものがなくなったんです。今の敵は自分だと思っているし、どこか丸くなったかもしれませんね。

 今後は、あまり頭でっかちにならず、できるだけニュートラルな状態でい続けることを目標にして、そこで出会った役をそのときの上杉柊平で演じていきたいです。それがいい結果に繋がってくれたらいいですし、映画にもどんどん出たいですし、CMの出演依頼もお待ちしています(笑)。

 そして、ゆくゆくは1年の半分を日本で仕事して、残り半分は海外でコーヒー屋さんやベーグル屋さんでもやって暮らしたいですね。

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上杉柊平(うえすぎ・しゅうへい)

1992年5月18日生まれ。東京都出身。15年、ドラマ「ホテルコンシェルジュ」(15/TBS)で俳優デビュー。その後、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16/NHK)、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(17/テレビ朝日)、『一週間フレンズ』(17/村上正典監督)、『リバーズ・エッジ』(18/行定勲監督)、『シン・仮面ライダー』(23/庵野秀明監督)などの話題作に出演。TBSドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」も話題になるほか、桑原和真役を演じる「幽☆遊☆白書」(Netflix)が23年12月に配信予定。

『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』

学校ではマスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう優等生の茜(久間田琳加)と、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁(白岩瑠姫)。茜は何もかもが自分とは正反対の青磁のことを苦手に思っていたが、青磁が描く絵とまっすぐな性格に惹かれ、2人は少しずつ距離を縮めていく。やがて、そんな2人の過去が重なり合い、これまで誰にも言えなかった思いが溢れ出す。
https://yorukimi.asmik-ace.co.jp/
絶賛公開中

出演:白岩瑠姫(JO1) 久間田琳加
   箭内夢菜 吉田ウーロン太 今井隆文 / 上杉柊平 鶴田真由
監督:酒井麻衣 
原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版 刊)
脚本:イ・ナウォン 酒井麻衣
音楽:横山克 濱田菜月 主題歌:JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)
製作:『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース
配給:アスミック・エース

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文=くれい響
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