『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』で、ドラマ版に続いて「リア恋勢」のアイドルオタク・基を演じる豊田裕大。身長179cmのバスケ少年が「メンノン」モデルを経て、新たな自分が開けた役に出会うまでを振り返ります。
●バスケ少年から俳優を志す
――3歳の頃からバスケットボールをやっていたそうですね。
姉と兄がバスケをやっていたので、自然な流れで体育館に行って遊ばせてもらった感じで、小学生になってからはミニバスのチームに入りました。だから、その頃の夢はバスケ選手ですね。高校ではシューターをやっていたのですが、八村塁さんとは練習試合をしたこともあります。
――そんな豊田さんが、2019年に「第34回メンズノンノ モデルオーディション」に応募された理由は?
大学では3on3などをやっていたのですが、バスケに関してはやりきった感もあったんです。それで社会人になる選択肢のひとつとして、役者の道に挑戦したいと思うようになりました。何かを表現したい気持ちが強かったですし。その“切符”みたいなものを手に入れることがいちばんだと思い、「メンズノンノ」オーディションを受けることにしました。それに、役者になることに反対するであろう親を説得するための「証明書」みたいなものが欲しかったのもあります。
―――そして、「ラボ シリーズ賞」を受賞し、専属モデルに。21年に現在の事務所(トップコート)に所属されます。
1年間のフリー期間を経て、どこかの事務所に所属しようということになったとき、親が今の事務所の社長が出ていた「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見て、「こういう会社に、スタッフとして入れたらいいよね」と言っていたのを思い出したんです。それでトップコートの門を叩き、面談してくださったマネージャーさんと一緒に頑張っていこうと決めました。
●主演映画では不良少年役を好演
――21年、ドラマ「じゃない方の彼女」の大学生・後川誠役で俳優デビューされます。
オーディションで選んでいただいたのですが、大人数のスタッフ、キャストの中、「バミリ」みたいな専門用語も、何も分からないことだらけ。それまでも演技レッスンは受けていたのですが、相当ハードルが高い中、とても緊張していたことを覚えています。ただ、僕は後川ほどクールな性格ではないですが、自分と同じ大学生という役どころには助けられたと思います。
――続く、不良少年たちの青春を描いた映画『レッドブリッジ』『レッドブリッジ ビギニング』では主演を務められます。
2本を10日間で撮影したので、スケジュール的にもハードだったんですが、内容的にもヘビーですし、ハードなアクションシーンもあったりして、とても印象的な作品でした。初主演作ということに関しては、オーディション後にスタッフさんから「満場一致で豊田くんだったよ」と言われたんですが、とても嬉しい反面、「ちょっと早くないか?」という戸惑いもありました。
2023.05.12(金)
文=くれい響
写真=平松市聖
ヘアメイク=速水昭仁
スタイリスト=秋山貴紀(A Inc.)