20年後も変わらない“懐かしい”お菓子を
「ぺり亭」は、2002年オープン。店主・永井孝幸さんは、神戸・御影の「ダニエル」(現在、芦屋に本店)でお菓子を、大阪「リーガロイヤルホテル」でパンを修業。フランス料理店「レストラン パリ彩宴」(現「洋食の店なんじゃろ」)で料理とデザート作りを学んで独立。一時は、「キュイジーヌ ぺり亭」も併設していました。
「おやつを作って販売したいと思うようになったのは、3人の子どもを持ってから。子どもたちが大きくなったら、小さい頃に食べたお菓子を思い出してもらいたいと思って」と永井さん。「種類豊富で安価なコンビニのスイーツが人気だけれど、おやつとして懐かしい思い出にはならないと思う。ケーキ屋さんであれこれ迷って買ったお菓子を、大人になってから思い出してほしい」。だから、たくさんの種類を作り、その中から、値段を気にしないで、どれを選んでもいいという均一価格で販売しているのだと言います。
「これから20年、ずっと同じ味のお菓子を作り続けたい」
そして、「生ケーキの材料がどんどん値上がりして、販売価格が1個あたり600~800円と高価になっている。僕は、ケーキを特別な時だけのお菓子にしたくない。日常的に食べてもらいたいから、500円までで売る」とも。
おやつと生ケーキ。どちらも買いやすい価格設定。ぺり亭ファンにとっては、選択肢が増えて楽しくなりました。
「生ケーキを1個1個ていねいに作っているから、同じ材料をちょっと多めに用意して、生ケーキを仕上げた後に焼き上げていけば、おやつができる」。というわけで、おやつの販売は、12時半頃から、売り切れまで。並ぶ場所も、奥のカフェスペースか、横の通路。
キュイジーヌから変わったカフェスペース、デザートのお店では、ケースに並ぶ生ケーキがイートインできます。オススメは、フルーツやソース、シャーベットと盛り付けたプティフールのプレート。他にも、「出来たてミルフィーユ」や「焼きたてクレープ」がオンメニュー。
フランに始まり、サンドイッチとケーキ、ドリンクがセットされたランチもオススメ。中でも「ハンバーガー」は、自家製のブリオッシュを使い、他にないおいしさ。生ケーキが選べるパティスリーならではのランチです。
「色々なものが値上がりしているこんな時代だからこそ、ちょっと面白い、手作り感あふれるおやつを、子どものようにワクワク、楽しみながら選んで買ってほしい。コツコツ、おやつを作り続けます」と永井さん。おいしいおやつの思い出を、次の世代に。
ぺり亭
所在地 兵庫県芦屋市大桝町6-8
電話番号 0797-35-3564
Instagram @peri_tei
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2023.09.10(日)
文・撮影=そおだよおこ