芦屋のパティスリーが、「おやつ」を始めた――そんな噂を聞いて、阪神・芦屋駅近くの「ぺり亭」へ出かけました。
駅の北側を東西に走っている道路・鳴尾御影線に面したお店は、スイーツの激戦区・芦屋にあって、2023年9月13日に21周年を迎える人気店。お店に入ると、ショーケースに並んでいるのは、丸くて愛らしい、ぺり亭らしい生ケーキ。お値段は、どれも500円。近隣のお店では、600円台、700円台が当たり前になっているのに。おやつを始めたこととも、何かつながる理由があるのかも。
おやつは、奥のレストランだったスペースの一角に置かれていました。15種類あまりが、すぐ手にとって買えるよう、袋入りで並んでいます。どれもが直径10センチほどもある、びっくりの大きさ。そして「ALL 200円」のポップ。
「おやつは、子ども一人でも買いにこられて、今日はどれにしようかと迷って好きなものを選んで買ってほしいから」と、店主の永井孝幸さん。
そんな「ぺり亭」のおやつをご紹介しましょう。
当日の、焼きタルトは6種類。
生ケーキのタルトと同じ、薄く焼かれたサブレ生地のタルト台は、サクサクで香ばしい。アーモンドクリームとクリームチーズのアパレイユで、おやつといえども、とてもリッチな味わいです。
バナナの風味にキャラメルのほろ苦さが加わった「キャラメルバナナ」、果物の風味が楽しめる「ブルーベリー」「マンゴーと洋梨」。季節のフレッシュなフルーツを使った「いちじく」もあります。
新作は「あんことおもち」。中に求肥が使われていて、もっちり食感が加わった和風の味わい。日本茶にも合いそうです。
「日替わりの気まぐれ」とポップに記されたタルトにも心惹かれます。当日の「りんごのタルト」は、ぺり亭で人気の「りんごのパイ」と同じりんごがたっぷり。紅茶と一緒に味わいたい一品です。
奥様の永井百合子さんが担当するスコーンは6種類。
こちらも直径10センチほどのボール状。半分に割ってジャムやクリームを塗って食べるよりも、両手で持って、大きな口を開けてかぶりつきたい。お腹をすかせた子どもたちが大喜びしそうな、おやつタイムのためのスコーンです。たっぷりのミルクティーが似合います。
「キャラメル」は、どこか懐かしいキャラメル味。
甘酸っぱさと深いコクを味わう「ブルーベリーとチーズケーキ」、ほんのりしたレモン風味が優しいチョコの味を引き立てる「ホワイトチョコとレモン」、そして、たっぷりチョコが入っていて、チョコ好きにはたまらない「チョコレート」。
もちろん、王道の「クルミとレーズン」「プレーン」も。
「クリームパン」は、ブリオッシュ生地のパンの中に、まろやかなクリームがたっぷり入っています。ケーキ屋さんならではの味わい。
「チョコレートのデニッシュ」は、アーモンドクリームとビターチョコが入った、サクサク、リッチな味わいのデニッシュ。
生地にも中のクリームにも芳醇なチョコを使った大きな「マカロン」、ベイクドタイプともスフレタイプとも違うむっちり、ねっとりの「チーズケーキ」。さらに、直径15センチもありそうな「りんごのパイ」は、一見、粉糖かと思う表面に求肥を使っているのだそう。薄くてパリパリしているのかと思ったら、ねっとりとした不思議な食感。
どれを食べても、お腹が満たされ、ちょっと楽しくなるおやつです。
2023.09.10(日)
文・撮影=そおだよおこ