超軟水で醸す個性豊かな日本酒を提案
1832（天保3）年に創業した「ハクレイ酒造」は、江戸時代から酒づくりを続けている丹後を代表する酒蔵です。全国的にも珍しい超軟水を使った酒づくりが特徴で、仕込み水は由良ヶ岳中腹に流れ出る湧水「不動山水」を、長さ600メートルものパイプを通して引き入れています。
看板商品の「大辛口 酒呑童子（しゅてんどうじ）」は、大江山の鬼伝説から生まれた銘酒で、山廃仕込みで辛口に醸したすっきりとした飲み口が特徴。地元で一番人気の「香田」は、丹後の農家で契約栽培された山田錦を100％使用。吟醸酒にも負けないおいしさの手頃な純米酒で、旨味と酸味のバランスが絶妙なきれいな味わいが楽しめます。
伝統的な酒づくりを守る一方で、新しい醸造方法にも積極的に取り組み、画期的な日本酒も続々と提案。なかでも「Hakurei03」は、京都酵母と日本酒ではあまり使われない白麹を使った純米吟醸酒で、レモンサワーにも負けないジューシーな酸味が広がる新しさ。このほか、ワインのような日本酒「vivid」も料理を選ばずに楽しめる人気シリーズです。
予約制の酒蔵見学では、江戸時代に建てられた酒蔵｢天保蔵｣が見どころ。蔵の歴史から製造方法までわかりやすく解説してもらえて、ここで醸された日本酒を味わいたい気持ちが高まります。
蔵を改装した直売店「天の蔵」では日本酒の試飲ができ、お気に入りの1本をじっくり見つけられます。超軟水の仕込み水も試飲できるので、そのまろやかで優しい口当たりをぜひ体感してください。
ハクレイ酒造
所在地 京都府宮津市由良949
電話番号 0772-26-0001
営業時間 9:00～17:00
※蔵見学は木～日曜9:00～17:00。前日の16:00までに要予約
定休日 水曜
https://www.hakurei.co.jp/
2023.08.12(土)
取材・文＝田辺千菊（Choki!）
撮影＝志水 隆
