#218 Ine cho
伊根町(京都府)
日本海に突き出した丹後半島を、くるりと回った東側、南に向いて開いた伊根港。
沖に浮かぶ青島が天然の防波堤となり、波は穏やか、潮の干満の差も比較的少ない、安定した漁港です。人口は約2000人。京都府で二番目に人口が少ない、漁村です。
そんな伊根町には世界中を見回しても珍しい “舟屋”と呼ばれる建物群があります。1階が和船を格納するいわばガレージとなった、切妻屋根の木造2階建ての舟屋。
いくつかの集落に分かれた約5キロにわたり、230軒が連なり、「伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区」として認定されています。
昔の伊根町の人々の暮らしぶりを記した資料は、飛鳥時代から江戸時代初期まで見当たらず、空白の期間。
どうやら江戸中期あたりから、舟屋は建てられ始めたようです。
もともとは山に暮らしていた人々が海岸線に下りてきて、最初に高梨地区に暮らし始めました。隣接しているけれど平田地区は、後から暮らし始めた、いわば新興エリア。
大正時代に路線バスが開通し、昭和にかけて道幅が拡充されました。それまでは幅50センチほどの細い路地がくねくねと走っていたそうです。
では、なんのために舟屋は建てられたのでしょう?
2021.03.27(土)
文・撮影=古関千恵子