「プレデター」シリーズ最新作、『プレデター:バッドランド』でアンドロイド・ティアの日本版声優を務めた早見沙織さん。いつもとは違うアフレコ現場に戸惑いもあったそうです。
早見さんのとっておきのバディについてや、元気回復の秘訣も語っていただきました。
――今作の吹替版の見どころを教えてください。
吹替版では、言語の異なるアンドロイドとプレデターを、日本語でどう表現しているかにも注目していただきたいです。
アンドロイドのティアは、人間の言葉を話すので、日本語で吹替えができます。それに対し、エイリアンのプレデターは言語が未解析なので、日本語に置き換えることができません。
それゆえ、プレデターのセリフはすべて字幕で対応していますが、冒頭でプレデターが登場してからしばらくは、プレデターしか出てこないので、吹替版にもかかわらず、字幕映画のようなつくりになっているのは面白いと思います。
私も、映像チェックの時に「あれ? 吹替版だよね?」と思いました。
――アフレコの現場も、いつもと違う雰囲気でしたか。
そうなんです。途中から「あれ?」と思うことが多くありました。
収録が始まる前は「ティアとして楽しみながら収録できたらいいな」、「エル・ファニングさんの幅広い表現を、アフレコで表現できたらいいな」などと憧れと野望を抱いて現場に入りました。ところが、収録を進めていくうちに、私だけがずっとしゃべり続けていることに気がついてしまったのです。
基本的にプレデターのデクは字幕なので、日本語の吹替えもありません。ということは、劇場でご覧になるお客さまは、映画が始まってからずっと、しばらく私の声だけを聞くことになるんだな……、と思うと、より気合が入りました。
――字幕で喋るデクとのかけあいは難しかったのでは?
そうですね。ですが、“違う表現手段を持った者同士が、意思疎通を図る”というのは、まさにプレデターとアンドロイドの交流と同じ感覚だととらえています。デクは言葉や文字も扱いますし、コミュニケーションができないわけではありません。どんなに違う言語、知らない言語を使っていても、ティアにとっては、自分の知っている言語を使って話しているような感覚でコミュニケーションが取れるのだろうと考えたら、違和感もなく、スムーズに受け入れられました。
