●役者全員モチベーションが高い現場だった「ドラゴン桜」

——続いて、『子供はわかってあげない』(21年)では上白石萌歌さん演じるヒロインの相手役となる門司を演じられます。

 リハーサルの段階で、沖田修一監督から「町田くん感が抜けてないね」と言われ、ドキッとしました。正直言うと、「門司くんの挙動不審なお芝居は、町田くんと一緒の方法でやれば大丈夫」と、どこかで思っていたんです。自分の手札というか技術がなかったこともあるんですが、それを沖田監督に見透かされてしまい、ひたすら監督とリハーサルを繰り返しました。しかも、とにかく素の自分を映し出す現場だったので、「役作りって何?」という壁にもぶつかりました。

——ドラマ「ドラゴン桜」(21年)では、龍海学園東大専科の生徒・原健太役を演じられました。

 このドラマの前に、いろんな作品で自分を作り上げてきた素敵な役者さんが集まったこともあり、とにかく「この仕事に懸けています」というモチベーションが高い現場でした。だから、すごく楽しかったですし、今でも再会すると、「あの現場って恵まれていて、楽しかったね」という話になります。みんながみんな転機になったと思うんです。

 確かに、前作の存在があることで周りからの注目度が高く、比較されることのプレッシャーもありましたが、「アンチなコメントをひっくり返してやろう!」という気持ちでやっていました。結果、この作品で多くの方に認知してもらえ、今いろんな作品に出演させてもらえるようになりました。

——その後、「もしも、イケメンだけの高校があったら」(22年)ではドラマ初主演を務められます。

 今まで自分が見てきた主演の方を見習って、現場を引っ張っていきたいという気持ちでやっていました。このときの(池田)龍馬という役は、これまでに比べ、コミカルな役柄でしたが、「どの役も楽しみながらやれたらいいな」と思っていましたね。

 「ドラゴン桜」と同じく、若い世代が集まった現場でしたが、自分が思っていたものとは違う空気感で、とても勉強になりましたし、お芝居に限らずいろいろな方との交流も含めて、いい経験になりました。

2023.04.21(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=岡本健太郎
ヘアメイク=菅野綾香