この記事の連載

新しい出合いがあるマンガ雑誌は今も元気!

粟生 マンガから離れてる人に限って「昔のマンガは良かった」とか言うんですけど、今は今で新しいテーマが描かれているし、表現や技術の進化もすごいですよね。

島影 「少女マンガ」とひと口に言っても、等身大の恋愛ものもあれば、ファンタジーやSF、ミステリー……とジャンルや世界観もさまざまですしね。

小沢 王道の恋愛ものも、実は切り口は驚くほどたくさんありますし。

島影 「最近、恋愛ものには食指が動かないんだよな」と思っていたはずなのに、ふと読んだ作品で「胸キュン」を取り戻せた! みたいな瞬間もあります。食わず嫌いはもったいない(笑)。

小沢 連載作品を途中から読むことでかえって作品の魅力に気づかされることもあります。面白いマンガって途中からでもすごく面白くて続きも気になるし、最初にさかのぼって読みたくもなるんです。

粟生 考えてみるとマンガ雑誌ってすごくお得な詰め合わせです。目当てじゃなかった作品がだんだん面白くなってくることもあるし。あと、新人のデビュー作を読めるのも嬉しいですね。

島影 ふと目に留まった雑誌を買ってみたら、その先には忘れられない作品との運命的な出合いが待っているかもしれません!

小沢かな(おざわ・かな)さん
漫画家・イラストレーター

『ブルーサーマル -青凪大学体育会航空部-』(新潮社)が2022年劇場アニメ化。『野々宮月子はいつも眠い』全3巻(講談社)。現在『BLUE MOMENT』をCOMIC BRIDGE (KADOKAWA)にて連載中。Twitter:@kana_ozawa_blue


島影真奈美(しまかげ・まなみ)さん
ライター・編集者・老年学研究者

ライター・大学院生。少女マンガから青年誌までジャンルを問わず熱愛。マンガは年間1000冊以上購入。仕事×介護×研究の傍ら、新作の渉猟に励む。マンガ大賞選考委員。著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)等。


粟生こずえ(あおう・こずえ)さん
編集者・ライター・作家

マンガレビュー、マンガ家インタビュー多数。本を読むのが習慣の自称“読鬼”。不定期でブックトークイベントや蔵書を放出する「おもしろ古本市」を開催。

懐かしのマンガに出合える マンガ図書館

今回紹介した懐かしいマンガ雑誌をはじめ、あらゆるマンガやマンガ関係資料が読める「米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館」。いずれも明治大学の管轄で同じビル内にあり、一般でも閲覧室を利用できる。

所在地 東京都千代田区神田猿楽町1-7-1
電話番号 03-3296-4554
開館時間 月・金曜 14:00~20:00、土・日曜・祝日 12:00~18:00
定休日 火~木曜
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/
https://www.naiki-collection.jp/

次の話を読む大人になった今こそ読んでほしい! マンガマニアが今おすすめする 少女マンガ雑誌連載作品9選

2022.11.19(土)
Text=Kozue Aou
Photographs=Atsushi Hashimoto,Wataru Sato,Ichisei Hiramatsu

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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