この記事の連載
◆『タコピーの原罪』タイザン5
地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人のタコピーは、助けてくれた少女・しずかの笑顔を取り戻そうと様々なハッピー道具を駆使する。しかし、その善意は壮絶ないじめに遭っている彼女をさらなる窮地に追い込み――。最終話を更新したその日に300万PVを叩き出した注目作。
「かなりエグいところを突いてくるけれど、悪趣味にならないドラマの読み応えの深さが魅力。絵柄の可愛さにも中和作用があるのかも。今一番、次回作が楽しみな作家」(粟生さん)
『タコピーの原罪』タイザン5
集英社 660~693円 上下巻
粟生こずえ(あおう・こずえ)さん
編集者・ライター・作家
マンガレビュー、マンガ家インタビュー多数。本を読むのが習慣の自称“読鬼”。不定期でブックトークイベントや蔵書を放出する「おもしろ古本市」を開催。
◆『日本三國』松木いっか
文明が後退し、3つの国が覇権を争う近未来の日本。三国のひとつ「大和」で暮らす三角青輝は、農業を司る司農官となり、真っすぐな気性の小紀と結婚。幸せの絶頂にあったある日、理不尽な理由で妻を殺されてしまう。その遺志を継いで日本再統一を決意した青輝は、やがて奇才軍師として頭角を現しはじめる。2018年に連載デビューした新鋭による令和版三国志(!?)の開幕だ。
「題材と展開、設定に個性あるキャラ。よく考えられていて読み応えがある。おすすめです」(近西さん)
『日本三國』松木いっか
小学館 各715円 既刊2巻
近西良昌(ちかにし・よしまさ)さん
三省堂書店海老名店コミック担当
18歳で書店員になり、三省堂書店海老名店に勤務。学参担当を経て、2001年から20年以上コミックを担当。マンガ大賞に第2回より選考委員として参加。
2022.10.25(火)
Text=Mao Yamawaki