この記事の連載

◆『光が死んだ夏』モクモクれん

 緑豊かな集落で暮らす幼馴染みのよしきと光。ある日、よしきは光が別のナニカにすり替わっていることを確信。それでも一緒に居たいふたりは今まで通りの学校生活を送るが、時を同じくして集落内で怪事件が相次ぎ――。

「終始、得体のしれない恐怖が充満していて、そこに少年同士の恋慕が絡んでくる。あまり触れたことのないぬるりとした感覚に鳥肌が立ちました。これが商業誌デビューとのことですが、画力・独創性・演出力いずれもスゴい才能が現れたと感じます」(SYOさん)

『光が死んだ夏』モクモクれん

KADOKAWA 704円 既刊1巻

犬山紙子(いぬやま・かみこ)さん
イラストエッセイスト

多くの雑誌で執筆のほか、テレビ、ラジオでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった』(ポプラ文庫)。

◆『緑の歌 -収集群風-』高 妍

 台北で暮らす音楽好きの大学生・緑(リュ)は、バンド青年・南峻(ナンジュン)と出会い、彼の後押しもあって日本を訪れる。異国への旅を通じて音楽と小説への想い、南峻への恋心を募らせる。著者の初連載作にして日本&台湾同時発売。

「青春の不器用さを掬い上げる力が見事。繊細な画とストーリー全体を貫く詩情に惚れました。ふたりが自分の心と素直に向き合う様、真っすぐに創作に打ち込むゆえの苦悩は読んでいて苦しいけれど、同時に眩しい」(三浦さん)

『緑の歌 -収集群風-』高 妍

KADOKAWA 858~880円 上下巻

三浦天紗子(みうら・あさこ)さん
ライター・ブックカウンセラー

「an・an」「CREA」をはじめとした女性誌や、文芸誌などで書評やインタビューを担当。著書に『震災離婚』(イースト・プレス)など。趣味はベリーダンス。

2022.10.25(火)
Text=Mao Yamawaki

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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