北野武監督が1996年に発表した『キッズ・リターン』の10年後を舞台に、主人公ふたりのその後を描いた『キッズ・リターン 再会の時』。本作で新たなマサル役を演じた三浦貴大が、スター夫婦のサラブレッドとしてデビューしてから3年を経た現在の素直な心境を語った。
学生寮の16人部屋で、映像のスゴさを体感
――大学時代にライフセービング部に所属されていたそうですが、その理由は?
幼稚園の頃からずっと水泳をやっていて、高校のときに先生からライフセービングを勧められました。そこで面白さを知って、ライフセービング部がある体育大学に行こうと思いました。でも、じつは僕、スポーツが苦手なんですよ(笑)。小学生のときはクラスで走るのがいちばん遅かったし、高校のときもビリから二番目ぐらい……。でも、水の中でだけは早く動ける、という変な自信があったんですよね。
――大学1年生のときに俳優という職業を意識されたそうですが、そのきっかけは何だったんでしょうか?
大学の学生寮で生活していたんですが、屈強な男たちが16人部屋でひとつのTVを見るというシチュエーションがよくあって……。たとえば、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の再放送を見ながら泣いていたり、コメディを見て笑っていたり。周囲のそういう姿を見ることで、映像の力のスゴさを知ったんです。ただ、役者になりたいとまで思うようになったのは、大学卒業後ですね。
――同じ役者への道に進むことを決めたとき、お父さん(三浦友和)の反応はいかがでしたか?
役者をやりたいと父親に話したら、「そう? じゃ、頑張ってね」とサラッと言われました。だから、僕も「じゃ、頑張ります」という感じで……(笑)。それでワークショップに行ったりして、演技の勉強を始めましたね。
2013.10.11(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano
hair&make-up:KEN
styling:Hiromi Wakui