「意地でも役者で生活をしていく」という決意

――2010年に公開された『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』では、デビュー作ながら重要な役柄に抜擢されましたが、そのときの心境は?

 もうビックリしましたね! ちょっと耳にした話なんですが、じつはあの役はすでにほかの役者さんに決まっていたようなんです。でも、その方が急遽出演できなくなって、僕にオーディションのお話がきたんです。とにかくタイミングが良かったとしか言えませんね。

――俳優という職業を意識するようになった作品は?

 この仕事を始めることにした時点で、「やるからには、意地でも役者で生活をしていく」という気持ちがありました。デビュー作の『RAILWAYS~』は、僕にとって本当にゼロからのスタートで、中井貴一さんや高島礼子さん、そして監督さんにも、いろんなことを教えていただきました。撮影現場では役者として、自分が何をしなければならないのか、をいちばん学びました。

――その後、『学校をつくろう』や『BADBOYS』など、主演映画が相次ぎましたね。

 それもビックリしましたね。僕自身、主演を演じられる要素をあまり実感してなかったので、主演に抜擢され、これまでと何が違うのか、いろいろ考えました。思い返せば、とにかくプレッシャーでした。主演が現場の空気、芝居全体の空気を作るわけですし、もうちょっと上の世代の方になると、共演者やスタッフの方を連れてご飯を食べに行ったりするんでしょうが、僕にはまだまだできませんでしたね。ただひとつ言えることは、自分のクレジット順が何番手であろうとも、主演だからといって心構えを変えてはいけないと思うんですよ。

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2013.10.11(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano
hair&make-up:KEN
styling:Hiromi Wakui