自身の代表作となった『HK/変態仮面』に続いて公開される『ガッチャマン』で、“みみずくの竜”を演じる鈴木亮平。前回に引き続き、第2回では、続けて“ヒーロー”を演じたことで、自身が新しく見えてきた道についても語ってもらった。
小栗旬の言葉から始まった『HK/変態仮面』
――恩師である塩屋俊氏が亡くなる2カ月ほど前の4月、じつにインパクトのある半裸姿のヒーローを演じた『HK/変態仮面』が公開。これは先の『シュアリー~』の現場で、小栗さんに「主人公・色丞狂介に似合う」と言われたところから始まった企画ですよね?
『シュアリー~』は格闘家の役だったんですが、僕が作った体を見て、そんな話になったんです。小栗旬は『HK/変態仮面』に脚本協力として参加していたんですが、原作のあのヴィジュアルを再現できる、そこまでストイックになれる人間ということで僕を選んだと思うんですよ。彼は僕が真面目ということを知っていますから。本当に映画化が実現したときは、戸惑いがあったと言った方がインタビュー的に面白いと思うんですけど、あまりなかったんですよ(笑)。役者としてのイメージが心配にならなかったかとよく聞かれるんですが、それまでの鈴木亮平のイメージは僕が作り上げたものじゃないし、演じてきた役がそんなイメージだったというだけ。むしろ、いろんな側面を持った役者の方が魅力的だと思う。イメージを作り上げたら、壊す。この作業を繰り返すのは大変だけど、楽しいんですよね。
――そういう意味では、小栗さんは塩屋氏同様、鈴木さんと運命的な出会いをしたキーパーソンともいえますよね?
そうですね。もちろん僕より役者としてのキャリアは長いし、先輩ですが、僕の中では戦友という感じがします。「イケパラ」のときはスターのような存在だったんですが、『シュアリー~』でマジメにモノづくりを一緒にしたことで、いろんな話をするようになり、今もまた作品を一緒に作りたいと言っているんです。早く同じ土俵に立って共演したいと思いますね。
2013.09.06(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Hirofumi Kamaya