背中を押されるパワーに満ちたパフォーマンス ◎

 大変恐縮ながら、このドラマを視聴するまでハロプロのグループメンバーや曲はほぼ存じ上げなかったのです……ごめんなさい。

 でも! このドラマを見て、ハロプロの方々のパフォーマンスはいつだってパワーに満ちていて、悩んでいる登場人物だけではなく、画面の前にいる私たちの顔も上げさせて前を向かせる力があると知りました!

 毎週違うグループやメンバーが出ているのですが、その誰もが、自分がこのグループにいる事を誇りに思っているような表情で、パフォーマンスをしているのが楽しくてしょうがなくて、この世の闇すべてを吹き飛ばすくらいの生き生きとした明るさがあって本当に魅力的なのです。

 何よりも彼女たちの魅力だと思ったのは、悩んで立ち止まった時に無理やり手を引っぱって立ち上がらせて、強制的に前を向かせるような感じではなく、「どう? いけそう? いけるよね? がんばれ!」と後ろから全員が応援団となって背中を押してくれるような力強くて温かいパフォーマンス。

 各グループのカラーはありながらも、どのグループも「誰も置いて行かないよ! 一緒に頑張ろう!」と寄り添って伴走しつつ、背中を押してくれているような気持ちになります。

 Overtureが響く中、扉に向かって悩める登場人物を引っ張っていく姿が、彼女たちの背中を押すような温かくも力強いパフォーマンスとリンクして、毎話毎話、感極まります。

 そして今回はどんなパフォーマンスを見せてもらえるのかワクワクするのと共に「今回も悩める彼女を救ってくれ! 頼んだ!」と祈る気持ちで、胸が高鳴りすぎて何故か涙がこぼれそうになるのです。これはドラマを観ていて初めて走った感覚でした…。

 きっと彼女たちのライブに行ったら、もっと燃え滾るほど胸が高鳴るんだろうなぁ…と、ついつい思い馳せてしまいます。映像からも溢れるパワーで魅せる、背中を押してくれるパフォーマンスに◎以外ありません!

総評 This is the ハロー! ◎

 毎話のストーリーも立ちながら、ハロプロのアイドルとしての輝きも見せつけられるこのドラマ。

 ファンタジーっぽさのある設定と突然始まるパフォーマンス、シネマティックな映像が相まってロングバージョンの素敵なMVを見ているような感覚になります。

 しかし、ただ素敵なMVを見せつけられるわけではなくて、セリフの一言にハッとさせられたりグサッと刺さったりする名言があるのも、このドラマの魅力だと思います。

 第2話でゆうは(岡本玲)が言われた「何のためにうち(の会社)にきたの?」は言った方に全く悪意がなくても、心にグサッと刺さり、否応なしに自分がなぜこの仕事を目指したのかを振り返らせてきました……。

 また、第3話のマリコが言った「文明を作ってきたのはいつだってジェラシーだからね」はグッときました。嫉妬を感じることは決して悪いことではなく、それをきっかけに頑張れと言われているようで…ここまでの話で一番心に残っているセリフです。

 そしてこのドラマは、好きな事やモノ、自分らしさを決して否定せず、そのままでいいじゃん! と包み込んで肯定してくれるところが何より素敵です。

 また、毎話の選曲も悩みにぴったりはまるものばかりで、数多ある曲の中からどんな打ち合わせを重ねて決めているのか一度覗いてみたいものです。

 さあ、明日は第5話。上京して日々闘い続けているバリキャリOL・すみれ(市川由衣)は何に悩むのか。背中を押すのはどのグループのどんな曲なのか、ワクワクです。

 これまでは女性メインのストーリーが続いていますが、後藤剛範さんが登場する唯一の男性メイン回も楽しみですね。

 それはそうと、情報解禁されているゲストは8名なので、残りの話でマリコやミサキはいかにしてハロプロの沼にはまったのか、なぜゲストハウスを始めることになったのかが描かれて欲しいです。

 また、ミサキは豆カレーをよく煮込んでいますが、何かの伏線なのか。第1話で写った家族写真には父親がいましたが今どうしたのか…そして、二人の前に、扉は現れるのか。

 意外と未だに謎に包まれている母娘なので、彼女たちが最終回に向けてどんな道を歩んでいくのかも見守りたいと思います。

 私も悩んだり迷ったりした時、サンプラザ朝沼に宿泊したい!

畑井 優

ドラマ制作に携わりながら、ドラマをこよなく愛するドラマ大好きっ子。20代女子。好きなドラマのジャンルはミステリー。一番好きなドラマは「Nのために」(TBS 2014年)。

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ライフワークがドラマ鑑賞で、新しく素敵な俳優や監督、脚本家やスタッフを探して推すのが趣味という畑井優さんが、今クールのドラマの見どころを徹底紹介! 通信簿をつけていきます。

2022.02.09(水)
文=畑井 優