毎週金曜が待ちきれない、至高のサスペンスラブストーリー

©TBS
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「ドラマがあれば生きていける」

 ライフワークがドラマ鑑賞で、新しく素敵な俳優や監督、脚本家やスタッフを探して推すのが趣味という畑井 優さんが、今クールのドラマの見どころを徹底紹介! 通信簿をつけていきます。

 今回は「最愛」(TBS系 毎週金曜よる10時~)を採点。これまでの振り返りも含んでいるので未見の人はネタバレ注意。でもドラマ好きなら読んで損なしです!

 毎週楽しみがある生活って、素敵なもの。好きなドラマがあればそんな素敵な生活が約束されますよ。


目に焼き付く、繊細な演出 ◎

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【あらすじ】

事件を追う刑事は、かつて心を通わせた最愛の人だった。殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(吉高由里子)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。

2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で起きたある青年の失踪事件。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく……果たして事件の真相とは。

 登場人物の瞬きさえも見逃したくないこのドラマ。

 静かなように見えて激しく感情があふれ出るシーンは「手」と「指先」がとても印象的です。顔や言葉よりも感情を雄弁に語るそれらは、本当に美しい。

 先週の第5話だと、バスの中で梨央が昔を思い出しながら優(高橋文哉)の頭をなでるシーンが強く印象に残りました。

「姉ちゃんが優のことずっと守る」という約束を果たすことが出来なかった後悔。そして、これからは離れていても守るという梨央の決意と、優の幸せを祈る優しさがにじみ出ていました。

 また、優の運転免許証を見せられた時に事件の容疑者と同一人物かどうか「確信が持てません」と言った大輝。

 顔はいつもと変わらないように見えるのに、やけに動かすのにうまく組めない指から、優が容疑者だと確信を持ってしまっているのに、そうではないと信じたくて嘘をついた罪悪感と焦燥感でいっぱいになっているのが漏れてしまっていたのもとても印象深いです。見えないのに冷や汗が滲み出ているようでした。

 あと、スローモーションの使い方、ずる過ぎませんか。止まらなくなるので書くシーンは一つだけにしておきますが、何より優が移送されていくところ……! スローになったことで、梨央が優だけを見ていて(引き留める大輝のことが1ミリも目に映っていない!)、大輝はずっと梨央のことを見ている“目線の合わなさ”が、より切なさを際立てていました。

 目に焼き付くように魅せてくる演出で伝わってくる溢れる感情……ハァ、最高です◎!

2021.11.18(木)
文=畑井 優