国内外問わず根強い人気を誇るバディドラマ。ライフスタイルのなかにドラマ鑑賞が溶け込んでいる7人におすすめの作品を教えてもらいました。


「ハコヅメ~たたかう!交番女子〜」FUJI & KAWAI

警察官のリアルな日常と本音が描かれる

 泰三子によるマンガの実写化。ハコ=交番に勤務することになった新人警察官・川合麻依(永野芽郁)。彼女とコンビを組むのは、元刑事課のエースで「パワハラで左遷された」と噂される藤聖子(戸田恵梨香)。

 一見厳しく接しそうな藤だが、尾行も張り込みも満足にできない川合を優しく見守りながら成長を促していく。

 これまでのドラマでは対立相手として描かれそうな刑事課の男性刑事たち(三浦翔平、山田裕貴ら)も藤へのライバル意識を見せながらも同じ警察仲間としての絆も垣間見え、優しくコミカルな世界観が貫かれている。

selector's comment
成馬零一さん(ドラマ評論家)

考え方は未熟で甘えているが、犯人も含めた苦しんでいる市民の味方になってあげられる優しさを持った川合を見守る藤先輩が魅力的で、自分もこんな先輩でありたいと思わせてくれる。特に見事だと思うのが落ち込んだ川合を諭す場面。必要以上に叱ったりせずかといって甘やかすわけでもないという絶妙な距離感で後輩の成長を見守っている。そんな2人の距離感はとても現代的で尊いものだと感じる。

「ハコヅメ~たたかう!交番女子〜」

日テレ
毎週水曜日夜10時~11時放送中

2021.09.21(火)
Text=TV No Sukima
illustrations=Yusuke Saitoh

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

明日のためのエンタメリスト

CREA 2021年秋号

明日のためのエンタメリスト

特別定価860円

CREA9月発売号は「エンタメ」特集。家に籠る時間が長くなって、あらためて“エンタメ”の力に気づいた人は多いのではないでしょうか。疲れた時こそ、観て、聴いて、読む。心身どっぷり浸ってもいいし、何も考えず笑うだけでもいい。ドラマ、映画、ラジオ、舞台、本、マンガを中心に、明日への活力となるリストをお届けします。