NHKドラマにあまりなじみのない人、どれから観たら? と迷う人へ向けて、幅広いドラマに精通するテレビっ子、てれびのスキマさんにおすすめ作品をセレクトしてもらいました。
「おかえりモネ」(2021年)
朝ドラの常識破る“受け”のヒロイン

傑作「透明なゆりかご」に続く脚本・安達奈緒子&主演・清原果耶コンビによる朝ドラ。ヒロインが気象予報士として成長する姿を描く。
よく「朝ドラは家事をしながら観るから、耳で聞くだけで物語が分かるようにナレーションを多用している」などと言われるが、本作はナレーションどころか、ヒロインのセリフも少なめ。清原の無言で受ける演技が絶品。繊細に人々の心の機微が描かれている。
「きれいのくに」(2021年)
ルッキズムを巡るシュールな群像劇
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どこか不穏な夫婦の物語からドラマは始まる。その妻を演じる吉田羊の顔がある日若返るという突然のファンタジー展開に驚いていると、この夫婦の物語が高校生たちに見せる啓蒙映画だということが判明。
本当の舞台は、美容整形が当たり前となり大人たちが男は稲垣吾郎、女は加藤ローサの顔になっているシュールな世界。だが、そこで描かれる若者たちの青春はリアル。見たことのないジュブナイルSF。
2021.09.08(水)
Text=TV No Sukima
CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。