「CREA」2021年秋号の特集は、「明日のためのエンタメリスト」。
家に籠る時間が長くなって、あらためて”エンタメ”の力に気づいた人は多いのではないでしょうか。
疲れた時こそ、観て、聴いて、読む。心身どっぷり浸ってもいいし、何も考えず笑うだけでもいい。ドラマ、映画、ラジオ、舞台、本、マンガを中心に、明日への活力となるリストをお届けします。
CREA 2021年秋号
明日のためのエンタメリスト
特別定価860円
坂元裕二ドラマに浸る/BLドラマについてとことん語りつくす/今、NHKドラマが攻めていて面白い!/SEX AND THE CITY 再び/パンサー向井さんのラジオライフに密着/愛に溢れる宝塚歌劇の世界/“今なりたい気分”に寄り添う名作32/Interview オダギリジョー×永山瑛太、山崎育三郎×尾上松也×城田優、小松菜奈、中村倫也 ……and more!
CREA WEBでは、「CREA」2021年秋号のコンテンツの一部を大公開します!
「エンタメとアートで言ったら、自分はエンタメ寄り」
エンターテインメントの世界で生きる表現者は、大概、幼いころに、「〇〇に救われた」とか「力をもらった」というエピソードをもっているものだ。中村倫也さんに、「若いころに力をもらった、励まされたエンタメは?」と質問すると、「うーん」としばし考えて、「何かあったかな……。わかんない!」と、およそ俳優らしからぬ一言を放つ。
ならばと、幼いころから思春期ぐらいまでの間に好きだった映画を聞くと、今度は即座に、『フォレスト・ガンプ』『セブン』『ホーム・アローン』の3作品をリズムよく挙げた。
「『フォレスト~』と『セブン』は、今も、年に1回ぐらいのペースで観てる。『フォレスト~』は観るたびに引っかかるシーンが違って飽きないし、『セブン』はとにかく映像がカッコいい。『ホーム・アローン』は、子どものころに繰り返し観ました。主人公と年齢も近かったし、頭を空っぽにして楽しめたんだと思います」
今をときめく人気俳優でありながら、気取りや気負いを全く感じさせない脱力の天才。どんな難役にも、さらに言えばエッセイやYouTubeにも、“中村倫也”らしい独特の個性が光る。
舞台、映画、ドラマと堂々主役を張るトップ俳優ながら、アーティスティックな雰囲気も漂うが、本人は、「エンタメ系とアート系で言ったら、自分はエンタメ寄りの俳優」などと、さらりと自己分析する。
「だから、自分が好んで観るものって、王道でメジャーなものの方が多いし、シンプルに、観て楽しいものが好き。ルーツがそこだから、演じるときも、そっちの方が自分らしさは出るのかな、なんて」
2021.09.07(火)
Text=Yoko Kikuchi
Photographs=Satoru Tada
Styling=Arata Kobayashi
Hair & Make-up=Emily