●メジャーとインディーズの懸け橋のような存在に

――俳優としての今後の展望・目標があれば教えてください。

 シネコンでかかっている作品も素晴らしいですが、まだまだミニシアターの存在と、そこに面白い映画が転がっていることを知らない方が多いと思うんです。映画好きな僕からすると、それはとても勿体ないこと。だから、自分の映画が公開される際にはスケジュールが合えば、全国どこの映画館でも駆けつけるということを、今後も続けていきたいです。

 それプラス、田中俊介という存在を知ってもらわないと始まらないというのもあって、映画に限らず、ドラマや演劇のメジャーな作品に出て、活躍できる役者になりたい。メジャーとインディーズの懸け橋となることで、ミニシアターを応援していきたいと思っています。

――そういう意味でも、田中さんが『ミッドナイトスワン』という作品に参加されたことは大きかったように思えます。

 内田監督自身、『ミッドナイトスワン』はオリジナル脚本でも、シネコン規模で公開できるという、日本映画の監督たちにとって希望となる作品にしたかったようです。

 監督の夢をずっと聞いていたので、僕もメジャーとインディーズの懸け橋のような存在になりたいという考えになったのかもしれません。

 実際、多くの方に観ていただけたこともあり、その一歩を踏み出せたような気がしますし、二歩目が『タイトル、拒絶』になってほしいという気持ちもあります。

2020.12.04(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹
スタイリング=中川原有(CaNN)