台湾の食文化を伝え 故郷の味を日本で再現したい
お店を営むのは、台湾生まれのリン シエさん。国立台湾芸術大学で書と水墨画、篆刻を勉強していて、交換留学生として神戸に来たのだそう。大学卒業後、再び総合アートを学ぶために神戸の大学院へ。
神戸で暮らすうち、水墨画の教室で台湾料理を出したシエさん。「生徒さん達にとても喜ばれて、料理を教えてほしいと言われて」、その希望に応えようと、一旦、台湾に戻って調理師の国家資格を取ります。さらに、「国際健康養生(女性身体ケア食)専門調理」の資格、「日本いんやん倶楽部重ね煮師範」の資格も取得。
そうしてシエさんが始めたのは、台湾の食文化を伝えつつ、故郷の味を日本の台所で気軽に再現できることを目指した、からだに優しい台湾料理教室。様々なイベントにも積極的に参加して、食だけでなく、台湾の文化を広く伝える活動をしています。
お店は、1階にイートインが楽しめるカウンター席とテイクアウト対応のスペース。2階では料理教室やセミナー、予約制のごはん会が開催されます。
水墨画作家でもあるシエさんの絵がさりげなく飾られていて、シエさんが描いたオリジナルの器や泉州てぬぐいも素敵。今夏には台湾気分の夜市も開かれました。
「台湾の食養生は、意外にシンプル。多くの日本の方に知っていただきたい。ワンプレートのごはんもここでの人との出会いも、ひとつの小さな宇宙だと思う。日本人と台湾人がお互いの共通性を知ることで、色々な可能性や楽しさを広げていけたらいいですね」
シエさんが作る点心をおやつに味わうと、台湾の人の優しさが心にまで広がり、笑顔になります。
小宇宙食堂
所在地 兵庫県神戸市須磨区須磨本町1-1-3
電話番号 080-5781-8805
http://shouchu-shokudo.com/
Column
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2020.09.13(日)
文・撮影=そおだよおこ