料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。

 冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?


 新型コロナウィルスの影響で家事環境が変わり、余裕のない日々が続いているという声、まだまだ聞かれます。

 今回はひとつ、私が便利だなと気に入ってる佐賀県のローカルフードを紹介させてください。その名も、シシリアンライス。

・手間がかからず
・ワンプレートで洗い物も少なくすむ
・トッピング次第で栄養バランスも◎

 実に便利なレシピなんですよ、私も定期的に作ってます。

まず簡単なウンチクを

 佐賀県の佐賀市で主に食べられているもので、昭和50年前後に誕生したと伝わります。白ごはんの上に炒めた肉がのって、生野菜をたっぷり散らすという3層構造が基本となり、仕上げにはマヨネーズが欠かせません。

 市内を歩けば喫茶店や食堂のメニューにその名が並び、スーパーのデリにもありました。町中で聞き込みをしたら、「今は給食のメニューでもおなじみですよ」とのこと。

 なぜ「シシリアン」なのかは不明なのですが、考案者がイタリア・シシリアが舞台の映画『ゴッドファーザー』が好きだったから、なんて説もあるよう。

 肉炒めとサラダの内容ですが、特に細かい決まりはないんです。「焼き肉にサラダをのっけてそれらすべてをオン・ザ・ライス、それがシシリアンライスですよ」とは地元の方の談。はい、まさにこれぞ真髄。

 ものすごーーく手軽にできるやり方、紹介しますね。

2020.06.13(土)
文・撮影=白央篤司