料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。

 冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?


 最近、調味酢をよく使うようになりました。

 トマトやら玉ねぎやら、「使い切れるかな……」と思ったら、しなびる前にザクザク刻んで、調味酢に漬けておいてます。

 私、料理は好きなんですがズボラで無計画で、「きょうは〇〇が食べたい!」という思いを最優先してしまうんですね。

 もちろん使い切りは大事だけど、基本的には欲望を優先。このスタイルのほうが自分としてはストレスがたまらず、マインドも健やかでいられると、あるとき判断しました。

 半端に余った食材は味噌汁や具だくさん汁、カレー、スープなどで使い切ることが多いんですが、調味酢も役立ってくれてます。

 調味酢はお酢に塩や砂糖、果汁やうま味が加えられているもので、口当たりはかなりまろやか。

 以前は調味酢も、イチから手作りしてたんですよ。けれど市販品を一度使ってみたらその手軽さ、使いやすさがクセになっちゃったんですね。

 手に入りやすいものとしては、ミツカンの「やさしいお酢」と「カンタン酢」の2種が代表格。「やさしいお酢」は爽やかで軽く、フルーティさが際立ちます。「カンタン酢」は甘めでうま味がしっかり。

 基本的に両方ともマイルドですが、酸味でいえば「やさしいお酢」のほうがよりライト。また寿司酢も調味酢として同じように使えますよ。

 調味酢に漬けた野菜、ちょい足しにも実にいいんです。

 個人的なおすすめは、トマトをダイス(角)に切ってひたしたもの。応用、かなり効きますよー。

 ダイス切りは上のような感じで。

■作り方

(1) トマトは洗って水けを拭き、縦に厚さ1センチぐらいに切る。
(2) それをさらに縦に1センチ幅にカット。
(3) 今度は横に切って、それぞれがざっくり正方形になるように。

 なあに、適当でかまいません。カットしたトマトをタッパーなどに移して、全体がひたるぐらいに調味酢を入れます。

 酸っぱいのが好きな方は、8~9割ぐらい調味酢にして、残りは普通の米酢や穀物酢を入れるといいですよ。

 長く漬ける必要は無し、2時間も漬ければOKです。

2020.05.21(木)
文・撮影=白央篤司