役を無意識の領域に
落とし込むこと
――ちなみに、本作ではどんな新しい藤原さんが観られると思われますか?
一切の計算がなく、その瞬間をただ生きようとしている僕が観られると思います。幸い、思考よりも行動が先に行く役を無意識の領域に落とし込むことができたこともあり、これをきっかけに、そういう境地に行きたいと思いました。
ただ、次の現場では、そう簡単にいかないわけで。やはり、演じる人物のバックグラウンドを作り上げたときに初めてできる芝居だと思うんです。
――今後の目標や将来の目標を教えてください。
去年ぐらいから「藤原季節は、やんちゃ芝居より引き算の芝居の方がいい」と言ってくださる方がいて、とても嬉しいんです。ただ、それまでは自分が役をもらうために葛藤していたんですが、去年からは作品に対する葛藤が圧倒的にスゴくて、毎回壁にぶつかっています。
台本をいただき、「果たして、自分はその役を演じられるか?」という恐怖を克服していきたいです。映画で主演を務めることと、TVドラマで主演を務めるのはまったく違うことだと実感したので、時間はかかるとは思いますが、いつかはTVのフィールドでも、しっかり戦っていきたいです。
2020.01.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子