現在、最新出演映画『ONLY SILVER FISH ‐WATER TANK OF MARY'S ROOM』が公開中の俳優・玉城裕規。2.5次元のフィールドを飛び出した舞台「魔界転生」も絶賛上演中、今後の活躍も期待される彼の魅力に迫った第2回。

転機となった舞台
「少年ハリウッド」

――多くの2.5次元舞台に携わられている玉城さんにとって自身の転機となった作品は?

 多くの人たちの目に触れる機会が増えた作品となった「少年ハリウッド」(11年初演)です。伊達竜之介という役は、台本にセリフは書かれているんですけれど、あえて聞き取れない方言で喋るという特殊なキャラクター。地方を転々としている設定なので、沖縄弁が6割で、あとはほかの地方の方言を入れました。役作り的には、あまり周りを考えず、“自由”を、意識しましたね。

――舞台「Messiah メサイア」で演じられた公安四係・周康哉は、「映画版」でも同じキャラクターを演じられました。

 「メサイア」は、周という役とともに成長していった気がしますね。なぜかというと、次がどんなストーリー展開になるかは、台本をもらうまで分からないからです。舞台版の演出家さんも作品ごとに代わりますし。そのため、「今後どうなっていくんだろう?」って、自分で想像しながら、役作りをしていくんです。次回作で分かることも多いため”「メサイア」あるある”として、ほとんどの役者さんは「こういう展開になるなら、こういう芝居をしておけばよかった」と後から振り返っているはずです(笑)。とはいえ、それが楽しい作品でもありました。

2018.12.07(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=泉脇崇(Lomalia)
衣装=瓢子ちあき