いちど聞いたら忘れられない個性的な名を持つ俳優・藤原季節が、連続ドラマ初主演を果たしたU-NEXT配信ドラマ「すじぼり」やドラマ「監察医 朝顔」など、新たなフィールドで活躍を遂げた2019年を振り返りながら、主演映画を経た今の想いをぶつける。

大きな転機となった
2本の映画

――13年に撮影した『ケンとカズ』が、ようやく16年に一般公開され、話題を呼びます。藤原さんを取り巻く状況は変わりましたか?

 『ケンとカズ』という作品に出会っていないかぎり、僕は今ここにいないと思いますし、間違いなく転機となった作品です。でも、自分のなかでは、あの荒々しく暴力的なイメージが強すぎるからこそ、どこかで脱却しなきゃという思いもありました。

――18年公開の『止められるか、俺たちを』では、脚本家・監督として知られる荒井晴彦さんの青年時代を演じました。

 荒井さんからは「頑張ったと思うよ」とお褒めの言葉をいただけて、嬉しかったです。荒井さんには感謝しています。

 また、しっかり芝居を見てくれる、映画人が好む作品に出演することの大切さを学びました。

 「自分が戦うフィールドはここなんだ」と痛感した作品でもあるので、これも転機となった作品かもしれないです。

2020.01.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子