15歳で初主演した
映画が国内外で高評価

当時の萩原さんは、まだ中学1年生ですよね?

 はい。それで追いかけるように、菅田くんがいる今の事務所(トップコート)に応募しました。

 ほかの事務所に応募することは考えられなかったですね。

 それでワークショップを受けた末、事務所に入ることができました。それを機に、いろんな作品を観るようになったりして、さらにお芝居に興味を持つようになりました。


2016年には、秘密を抱えた15歳の少年・銀役を演じた『イノセント15』に初主演されます。

 撮影のとき、僕も15歳だったのですが、セリフも少なく、とても難しい役でした。

 銀くんのセリフや行動ひとつひとつが理解できず、苦しかったんです。監督のOKが出ても、撮影中はずっと気持ち悪い感覚でしたが、今思うとそんなモヤモヤとしたものが、『イノセント15』としては正解だったのかもしれません。

 20歳になった今の自分が銀くんの気持ちを理解できても、それはそれで成立しないと思うんですよ。

『イノセント15』は、自主制作映画ながらも、1週間限定のレイトショー上映では約 1,000人の動員を記録。韓国・全州国際映画祭に正式招待されるなど、海外でも高評価されました。

 自分がやり切って満足したとは言い切れない作品が、そのようにいろんなところで評価されていくことは、どこか不思議な感覚でしたね。まるで、自分の映画じゃないみたいで。でも、映画祭でレッドカーペットを歩くことができて嬉しかったです。

2019.09.06(金)
文=くれい響
写真=佐藤 亘
スタイリスト=鴇田晋哉(Tokita Shinya)
ヘアメイク=Emiy(エミー)