長ーい桟橋の突端から
エレベーターで水中へ
「ザ・ムラカ」は200メートルもの桟橋の突端にぽつんと立っています。
桟橋の入口に水上飛行機のプラットホームがあり、ゲストは横付けされた機体からそのままチェックインできます。完璧なプライバシーの保護です。
水深5メートルの水中ルームへは、エレベーター(または螺旋階段)で降りていきます。扉が開くと、天井から光の筋が差し込む通路へ。
音もなく、光のカーテンがゆらゆらと揺れる幻想的な光景を、いつもと変わらずに呼吸しながら見ている状況に、不思議な感じがします。
通路脇にはトイレ&シャワールーム、そしてウォークインクローゼット。こちらも床から天井まで弾性アクリル越しに水中風景が広がっています。
ダブルシンクで洗顔をして、顔をあげたら、魚たちと目が合うことだって起こりそう。
ベッドルームは壁や天井も弾性アクリル板の、かまぼこ型。
光に溢れ、頭上を時折、尾びれを優雅に揺らしながらリーフフィッシュが通り過ぎていきます。
夜には客室の周囲がライトアップされるとか。自分で作った袋の中に眠るブダイなど、夜の海の魚たちの生態を、お酒を片手にウォッチングするのもオツだろうなと想像が膨らみます。
2019.03.30(土)
文・撮影=古関千恵子