いつも自分に問いかけて
無理なく気持ちいい行動を

 メンタルを整えるために大切な3つの柱は、睡眠、食事、運動。

「とくに睡眠をしっかりとることが重要です。気分転換やストレス解消より、まず寝ることを心がけてください。不眠が深刻になると、ますます回復は困難になります。食事は大切ですが、正しい食事をしようと頑張りすぎて負担にならないように。自分のセンサーで感知して、好きなもの、そのときおいしく食べられるものをとりましょう。そして、体をこまめに動かすことは必要ですが、健康にいいと思って過度な運動を続けて疲弊し、メンタルを崩してしまう例もあります。都会に住んでいる人は、毎日出歩いていれば、それなりに運動していることになるので、特別なことをする必要はありません」

 さらにエネルギーが低下すると、つらい、悲しいなどの感情もキャッチできなくなり、ストレスがあることさえ人に指摘されるまで気づかなくなってしまうと言う。

「楽しかったことをしたくなくなる、面倒になるというのもメンタル低下のサインです。暑い寒いの感覚も鈍くなり、明らかに季節にそぐわない服装をするようになってしまう人もいます。忙しい毎日の中でも時々自分を見つめて、『今疲れているかな?』『これってストレス?』などと自問し、早めに回復できるようにしましょう」

 ストレスをリセットするのに最も手軽で効果的なのが、自然の力を借りる方法。自然の景色を見たり、空気を感じたりするだけでも心身のリズムが整うそう。

「わざわざ遠くまで出かけなくても、近くの公園を散歩したり、鳥の鳴き声など自然の音に耳を傾けるだけでも効果があります。本当に疲れた週末などは無理に外出せず家でのんびりしながら、窓を開けて外を見るだけでもいいですよ」

 そして、これまでの考え方のクセや思い込みを見直して脳の負担を減らすことも効果がある。次ページのヒントを参考にして、安定した快適メンタルを目指そう。

2019.01.23(水)
Text=Ayaka Sagasaki
Photographs=Miho Kakuta

CREA 2019年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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