予想以上に可愛かった
パッチワークカーペット

 “本物“のトルコのカーペットを求めてやって来たのは「ナッカス」。ブルーモスクにほど近い、3階建ての立派な建物だ。

 そしてびっくりだったのが、まず通されたのは地下にある6世紀のビザンティンの貯水池。解説板もしっかりあり、さながら小さな博物館みたいでナンカ凄い。

 「遺跡の保存はお金がかかるけど、誇りでもある」と胸を張って説明してくれたのが、日本語を話すメメットだ。

 メメットはナッカスのオーナーの親戚で、大成建設の仕事をしたり、日本に住んでいたこともある日本通。彼の日本語があまりに流暢なので、逆に不審に思う日本人が多いということもよく分かっているあたりがタダモノではない。

 後で聞いた話では、日本の皇太子がイスタンブールを訪問した際に通訳をしたこともあるという、由緒正しきメメットなのだった。

 遺跡見学の後、トルコカーペットの織り方の実演を見せてくれたり、染料の説明もしてくれる。もちろん急いでる場合はスキップ可能だが、ここで一通り教わっておくと、カーペットにもより愛着が湧くのでお勧めしたい。

 で、念願のパッチワークカーペットです! と、そうは簡単にことが運ばないのがトルコ的商売。というかアラブも一緒。インドでもカーペット屋さんはそうだった。

 まずチャイを飲み、次々とカーペットを広げて見せてくれる。30分ほどして、ちょっと気になるものだけ残してまた次々広げる展開。このあたりで、ようやくパッチワークものが出てくるのだけど、まだ、価格交渉には至らないという。

 この過程を楽しめないとカーペット購入は面白くないし、失敗することも多いので、たとえ弾丸旅行でも時間に余裕をもって出かけよう。

 と、さんざん迷ったものの、アンティークキリムのパッチワークカーペットをゲット。価格は、値切るという駆け引きの産物なので公表できないが、納得できる値段になりました。

 トルコやアラブ諸国での買い物は、この価格交渉も楽しむのがコツ。予算をあらかじめ決めておいて楽しむのがテクニックです。

Nakkas(ナッカス)

所在地 Nakilbent Sok. 13, Sultanahmet, Istanbul
電話番号 0212-516-5222
http://nakkasrug.com/


 カーペット買うのに軽く2時間以上かかったが、お土産も買いたい。ということで近くのバザールを教わりサクサクお買いもの。

 グランバザールのように大きくないので、とっても買いものしやすいし、でもトルコ気分は味わえて楽しかった。戦利品はハーブやお茶、クッションカバー、ローズウォーター……たくさん買いました。

 これでもまだ帰りのフライトまで余裕があるので、夕飯を済ませて空港に向かう。

 そして夜中の1時40分イスタンブール発のフライトで帰国。成田には19時10分着で、「弾丸だがゆったりする2度目のトルコ旅」完了。

【取材協力】
ターキッシュ エアラインズ

https://www.turkishairlines.com/ja-int/

大沢さつき(おおさわ さつき)

大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:ナミブ砂漠
ブログ https://tabi-travell.com/

Column

トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!

2018.12.27(木)
文・撮影=大沢さつき