世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第163回は、たかせ藍沙さん秘蔵のかわいい猫写真をお蔵出し!

「幸せな猫の島」
マルタで猫ざんまい

坂の多いマルタでは猫の散歩も起伏に富む。古い街並みには猫がよく似合う。

 マルタには猫がたーくさん暮らしている。「クレア」本誌の猫特集でもお馴染みの、犬猫写真家・新美敬子さんが、2002年に『マルタ 幸せな猫の島』を出版して以来、マルタには猫に会いにいく日本人旅行者が絶えない。

 以前、マルタの民家のかわいい扉について書いたけれど、猫のことは書ききれなかったので、今回は改めて猫好きのみなさんにマルタの猫たちをご紹介したい。

左:家主がお茶を飲んでくつろぐ傍らで猫も一緒にくつろいでいる。
右:世界遺産の首都ヴァレッタで毎日正午に行われる大砲発射の後の砦で。集まった大勢の観光客を眺めているかのよう。

 町を歩いていると、たくさんの「幸せな猫」たちに出会うことができる。ここで暮らす猫たちは人間を怖がることがない。人々が猫を大切にしてきたことがよくわかる。散歩をする猫、ひなたぼっこをする猫、道行く人々を眺めているかのような猫。マルタの街並みには猫がよく似合う。

観光客にすり寄る猫。マルタにある30以上の巨石神殿のひとつ、「ハジャーイム神殿」の出口付近で。
「ハジャーイム神殿」前に置かれたベンチの傍らで熟睡する猫。

 新美敬子さんによると、猫たちとの遭遇率が上がるのは朝。猫たちが朝の散歩をするタイミングなのだという。ホテルの朝食を早めに済ませるか、早朝に猫に会いに行ってから遅めの朝食にするかして、彼らの散歩の時間帯に町に出かけたい。

 ちなみに、真夏は暑すぎて猫たちは涼しい物陰に隠れてしまうので、遭遇率が下がるのだとか。猫に会いに行くなら、猫のお散歩ハイシーズンを狙うべし。

左:「トマシナ・キャット・サンクチュアリ」の中庭で。
右:猫たちと遊んでいると乗っかられてしまうことも(笑)。

 猫たちを保護しているNPO「トマシーナ・キャット・サンクチュアリ」を訪ねた。病気になったり、捨てられたりした猫たちを保護し、去勢し、ワクチンを接種し、清潔な環境で大切に世話をしている。その数はなんと400匹ほど。

太陽の光を浴びながらお行儀良く座っている猫とお散歩中の猫。

 ここでも猫たちは人間を怖がることはなく、どの猫も幸せそうに見える。キャットフードや運営資金の寄付を受け付けているので、ご興味ある方は下記のホームページをご覧いただきたい。

よく掃除されて清潔な屋内には、居心地のよさそうな籠もたくさん用意されている。
籠の中でご満悦な猫さん。

Tomasina Cat Sanctuary
(トマシーナ・キャット・サンクチュアリ)

http://www.tomasinasanctuary.org/

2017.08.22(火)
文・撮影=たかせ藍沙