世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第120回は、たかせ藍沙さんが、イスタンブール観光の鉄板メニューからラグジュアリーホテルでのハマムまで、大好きな街を味わい尽くします!
この美景が恋しくて、またイスタンブールへ
右:ブルー・モスクにも朝日が差してきた。早朝は人通りも少なく静かで、散歩にオススメ。
何度行っても飽きない国や場所は、人によって好みが分かれるところ。私にとって、イスタンブールは何度でも訪ねたい街のひとつ。とくに、旧市街(スルタンアフメット)が大好き。絵になる街なので、朝に夕にカメラを持ってふらりと出かけることにしている。
旧市街には、歩いて10分程度の範囲内に、ビザンチン建築の最高傑作のアヤソフィア、世界でもっとも美しいモスクと称されるブルー・モスク(スルタンアフメット・ジャーミィ)、オスマン朝の栄華が残るトプカプ宮殿といった見どころがズラリ。街の真下には地下宮殿まである。バザール(屋根付き市場)の建物もタイムスリップしたかのような趣なのだ。路地を歩いているだけでも充分に楽しめる。
旧市街でもっとも大きなバザールは「グランド・バザール」。洋服、靴、貴金属、ランプ、じゅうたん、食器、スイーツなどなど、3万平方メートルの敷地に約4500店舗がひしめき合っている世界最大級のバザールだ。
でも、私のお気に入りは「エジプシャン・バザール」。ここは、「スパイス・バザール」と呼ばれている。その名の通り、スパイス店を始めとする食料品がメインのバザールだ。
何が楽しいって、ここでは、ほぼすべての商品の試食ができるのだ! スパイスは試食しづらいけれど、ナッツ類、チーズ、スイーツなどは、味を確かめてから買うことができる。ローズティやフルーツティなど、バラエティ豊かなお茶は香りを確かめてから。場合によってはお湯を注いで試飲させてくれる。量り売りなので少量からでも買うことができるし、真空パックにしてくれるのでまとめ買いしても安心だ。
中にはりゅうちょうな日本語を話すスタッフがいるお店もあるので、言葉が心配なら日本語の看板や旗が立っているお店に行くのもいいだろう。
最後に値段交渉も忘れずに。「3つ買うから端数は切り捨ててね」とか、「これもおまけに付けてよ」など、どんどん押してみよう。言葉では通じなかったら、彼が持っている電卓に数字を入れて交渉。「えー、それは無理!」などと言われても、粘ろう(笑)。粘り勝ちで安くしてくれることもある。ちなみに、この日私は、とあるお店で言い値より2割ほど安くしてもらった。
Fuar Pazari(ファル・パザル)
所在地 Misir Carsisi No.40/B Eminonu, Istanbul, Turkey
電話番号 0212-511-7488
Mahmet Efendi(メフメット・エフェンディ)
所在地 Tahmis Sok No.66 Eminonu, Istanbul, Turkey
電話番号 0212-511-4262
2016.01.12(火)
文・撮影=たかせ藍沙