コクを楽しむトルコのチャイは「ティー」とは別もの

 トルコといえばチャイ、というイメージがある。確かに、あの洋ナシのような形の透明ガラスに入った琥珀色の液体は、トルコを代表する飲み物といってもいいだろう。日本人である私も、ついつい食後にチャイを飲むことが癖になってしまった。ただ、トルコのチャイにはあまり香りというものがない。あくまでも、コクやまろみを楽しむものである。

トルコのチャイは、飲む時間そのものを楽しむ習慣のひとつ。

 そのせいか、トルコにいると時おり、あの英国やフランス風の香りを楽しむ「ティー」が飲みたくなる。カップを近づけただけで、ふと香りが鼻先に触れるようなティーが飲みたい……。だけどチャイ文化だけでお腹いっぱいなのか、トルコには長らくヨーロッパスタイルのティーをいただけるスポットがなかった。

 そんななか、2014年9月に鳴り物入りでオープンしたホテル「ラッフルズ・イスタンブール」では、ハイティーを楽しめるという。レストラン「ラヴィニア」の、その名も「Chai Time」だ。さっそく、香り高いティーを楽しもうと足を運んでみた。

イスタンブールっ子の間で話題もちきりのラッフルズホテルは、高級デパート&レジデンス、Zorluセンター内にある。
席に着く前に思わず偵察してしまいたくなる、ゴージャスなスウィーツテーブル。

 ティーのメニューを見る前から、カフェの中央にある、取り放題のスウィーツが載った丸テーブルが気になって仕方がない。

 見てみると、ありとあらゆるケーキ類がある。スフレ、ムース、チョコレートやピスタチオのケーキ、チーズケーキやティラミス……なかにはイルミック・ヘルワといったトルコ系のスウィーツまで!

 目玉はホームメイドの冷たいアイスティーとレモネードだろう。隣にある8種のシロップ(ジンジャーやカルダモン、ピーチやスイカなど)を入れて楽しめるようになっている。もう、これだけでもお腹いっぱいになりそう。

文・撮影=安尾亜紀