「打たれ強い粋な爺」の見本
それが石坂浩二だ!
「やすらぎの郷」で加賀まりこと浅丘ルリ子というハンパない圧を持った元カノに囲まれ、長期スパンの撮影をこなした石坂浩二の鋼のメンタルにも1万点差し上げたい。全てを苦笑いで流す華麗なスルーテク二ックは、現代の私たちにこそ必要だ。ぜひ見習いたい。
さらに同ドラマで日本最シブな年の取り方を見せてくれた藤竜也は2018年に再ブームを起こしそう、いや、もう「起こす」と言い切ってしまおう!
2017年の漢字一文字は、もう「爺」でいいのではないかと私は思う。
もちろんこれからの激動の時代、シニアに甘えてばかりはいられない。わかっちゃいるが、彼らが起こすパワフルな「再ブーム」を何度でも心待ちにしてしまうのだ。
田中 稲(たなか いね)
大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。現在は「関西ウォーカー」で“Kansai Walkerで振り返る! 00年代の関西”連載中。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2017.12.29(金)
文=田中 稲
写真=文藝春秋