20歳を迎えての意識の変化

――16年5月には、岩手県平泉町で開催された「藤原まつり 源義経公東下り行列」で、源義経に扮しましたが、そのときの心境は?

 一人の歴史上の人物を祝うお祭りみたいなものを見たのも初めてでしたし、とにかく見物される方の多さに圧倒されました。あの神秘的な雰囲気の中心に自分がいる感じが、役とは違って、心地良くもあり、むずがゆい気もしました。最初、行列しているあいだは、義経になりきろうと思っていたのですが、みなさんが手を振ってくださるので、全員の方に手を振りたいという感情が先走ってしまい、まったくそれどころじゃありませんでしたね(笑)。

――その2カ月後に、20歳を迎えたわけですが、それを機に変わったことは?

 19歳から20歳になったときって、あまりにアッサリし過ぎて、特に何か変わった気がしなかったんです。それで「自分から意識して、いろいろ変えていかないと、何も変わらないんだ」と思うようになりました。たとえば「もう少し先の未来について考えたい」とか、「同性からカッコいいと思われるような男になりたい」とか。それで筋トレを始めましたし、それまであまり興味のなかった服に関しても、いろいろチェックするようになりました。また、さっそくお酒も飲んでみましたが、あまり美味しいとは思えず、未だ弱いです。

――さて、今年17年はまさに大躍進の1年となったわけですが、それについては、どのように捉えていますか?

 僕としては、おととしから去年にかけて撮っていた作品が、今年やっと公開され、ドキドキしているなか、周りの方から「たくさん作品出てるね」と言われるのがスゴく嬉しいぐらいにしか思っていないんです。だから、自分がやっていくことはこれからも変わらず、一緒だなと。だから、これといった実感はないんですよ。

2017.12.08(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤
スタイリスト=石橋修一
ヘアメイク=堤紗也香